SBI北尾氏「リップルとR3を融合させる」| 仮想通貨XRPをマネータップなどに活用へ 「ビットコインの時価総額 簡単に超える」

SBIホールディングスの北尾吉孝CEOは、1月31日に開かれた2018年4~12月期決算の説明会の中で、「リップルとR3を融合させる」との考えを打ち出した。その一環で、SBIが展開する銀行間送金アプリ「マネータップ」や、デジタル通貨発行プラットフォーム「Sコインプラットフォーム」に仮想通貨XRPを導入する意向も表明。「XRPのプラクティカルユース〔実運用〕を増やしていく」(北尾氏)のが狙いだ。北尾氏は、将来的に「(XRPが)ビットコインの時価総額を簡単に超えると思う」とまで語った。

R3とは、金融業界におけるブロックチェーン技術の応用を手掛ける会社。2014年設立、ニューヨークを拠点にグローバルな…

リップルとR3を融合

リップルとR3は17年にXRP購入の合意を巡って法廷闘争を繰り広げていたが、昨年9月に和解が成立した。北尾氏は両者に対して和解をするよう促してきたという。また1月30日にSBIとR3は、合弁会社SBI R3 Japanを設立した。同社はR3が手掛ける分散台帳技術「コルダ(Corda)」の日本でのライセンス販売や実装支援を進める。SBIは既にリップルとの間でも合弁会社を設立している。

R3とリップルの和解、そしてR3との合弁会社設立が進み、北尾氏の次の目標はR3とリップルの融合を目指すことだという。

「一番重要視しているのは、R3とリップルを融合させて、XRPを徹底的にプラクティカルユースできるものにしていくことだ」

SBIホールディングス 19年3月期 第3四半期 決算説明会プレゼンテーション資料より

決算説明会の資料で示されているが、北尾氏の構想では国際送金はリップルが主体となり、R3はサプライチェーンや不動産、ポイントなど、金融に留ずに幅広いプロジェクトを推進していくことになる。

一方、R3自身も国際送金のためアプリケーション「コルダ・セトラー(Corda Settler)」を昨年12月に発表している。これは「コルダ」のプラットフォーム上で動く分散型アプリ(CorDapp)だ。仮想通貨XRPをサポートしている。

これについて北尾氏は次のように述べている。

「R3は別にコルダを国際送金に使ってもいい。ただしコルダ・セトラーはXRPと親和性があり、これを一緒に使うことになる」

SWIFTとR3の提携は「グッドニュース」

銀行間国際送金を手掛けるSWIFTは1月30日、R3と提携することを発表したばかり。SWIFTはコルダを活用した概念実証(PoC)を行う予定だ。

北尾氏はこれは「グッドニュースだ」と指摘する。

「SWIFTという1日1500万件のトランザクションを処理する国際送金を支える仕組みが、自らの既存の仕組みではダメだと認識したということだ。現状のシステムでは本物はできないと判断し、コルダになびいているのだろう」

そして北尾氏は、SWIFTの機能がコルダやリップルの仕組みに置き換わることができれば、既存の金融機関にとっても大幅なコスト削減につなげると話す。

「(金融機関は)高い金をSWIFTに払っている。これを無くしたら、コストがますます減ることになる。時代はそういう風に変わってきている」

マネータップやSコインにXRP活用

リップルとR3の融合の一環として、北尾氏は、9月に発表したデジタル通貨発行プラットフォーム「Sコインプラットフォーム」でコルダとXRPを活用する考えを示した。SコインプラットフォームにR3の分散台帳技術を使い、コルダ・セトラーとXRPを活用する。

SBIホールディングス 19年3月期 第3四半期 決算説明会プレゼンテーション資料より

またSBIが昨年10月に一般利用を開始した銀行間送金アプリ「マネータップ」にもXRPを活用する考えだ。このマネータップはリップル社の分散台帳技術「xCurrent」は使っているが、現在XRPは利用されていない。

「マネータップは素晴らしいと思っている。この分散台帳技術は、リップルの技術を使っている。やがてそこにXRPの通貨を入れ込んで、もっと早く、コストのかからない銀行間即時送金が可能になると考えている」

マネータップは現在、住信SBI銀行やりそな銀行など3行が参加しているが、さらに参加する金融機関を増やす意向だ。「早急に接続する銀行を増やす、徹底的に拡販していく」と表明。19年中にはマネータップの事業を推進するための新会社を設立する計画も打ち出した。

将来的にはマネータップにXRPを使った形で海外への送金も目指すと、北尾氏は語る。

「たぶん今年にはxRapidがどんどん資金移動業者に使われるようになると思う。XRPのプラクティカルユースを増やしていくことで、僕はビットコインを時価総額で簡単に超えると予想しているし、そう信じてる」。

リップル社の国際決済サービスxRapidは、すでに大手金融機関の間で普及が進んでいるxCurrentとは異なり、xRapidは仮想通貨XRPの利用が義務となる。xRapidでは、クロスボーダー送金の際、銀行が円や米ドルでXRPを購入し、そのXRPを送金先の地元業者が地元の通貨に両替する仕組みを提供する。先日、英国の国際送金サービス会社MercuryFXが、xRapidを使った英国ーメキシコ間の送金で「約1万2100円と31時間」の節約に成功したことが話題になっていた。