ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトを自称するクレイグ・ライト氏と内部告発サイトのウィキリークスが激しい言い争いを繰り広げている。

自称サトシ・ナカモトの投稿

発端はライト氏の2月8日9日のブログ投稿だ。ライト氏は、自身がサトシ・ナカモトだと改めて主張。ビットコインの理念や歴史などを振り返り、そもそもビットコインが法律の枠外で使われることに対して強く反対してきたと述べた。

「ビットコインは匿名の送金システムを支援するように設計されたことは一度もなく、私は法律の枠の外で活動しようとしている人々に対しいつも反対してきた。」

また同時に、ウィキリークスなどに対して嫌悪感をあらわにした。

「私はウィキリークスが好きではないし、(ウィキリークス創業者であるジュリアン)アサンジのファンでもなかった。私は犯罪市場やもぐり仲買店(bucket shops)に強く反対している。(中略)(史上最大の闇ドラッグサイト「Silk Road」創設者で後に逮捕された)ロス・ウルブリヒトや他の人は犯罪者だ。 彼らは自由のための戦士ではなく、リバタリアンでもない。」

ウィキリークスの反撃

これに対してウィキリークスが12日に反撃。以下のツイートを投稿した。

ウィキリークスはライト氏を「シリアルファブリケイター(連続偽造犯)」と批判。現在ライト氏のブログでは、ビットコインのホワイトペーパーが投稿される直前の2008年8月26日に『近く仮想通貨(Cryptocurrency)について論文を近く出版する予定だ』と書いたことになっているが、ウィキリークスはこの文言が2016年10月3日に追記されたものであることを示す文書を公表した。

 

さらにライト氏には、偽造追記をしただけでなく、「仮想通貨」という表記を使って墓穴を掘ったという見方も出ている。というのも、b-moneyの考案者ウェイ・ダイ(We-Dai)氏やecash考案者デービッド・ショーム(David Chaum)氏、bit gold考案者Nick Szabo(ニック・サボ)氏など、初期の仮想通貨開発者は当時は「仮想通貨」という言葉を使用していなかったそうだ

ライト氏はウィキリークのツイートに再度反論。以下のようにツイートした。


「私がビットコインと無関係であることにしたい嘘つきの偽造ニュースサイトが、また嘘をついている。悪いが、これはまたしてもWiki(Leaks)からのフェイクニュースです。嘘の工場は真実の促進の仕方で嘘をつくのだ。」

改ざん不能とされるビットコインだが、その歴史や成り立ちに関して偽造が話題になるのは皮肉ともいえる。