スペインの大手金融機関サンタンデール銀行は、イーサリアム(ETH)のパブリックブロックチェーン上で債券を発行した。12日のプレスリリースで発表した。債券の発行額は2000万ドル(約21億円)。債券発行をより速く、効率化できるとし、将来のセキュリティトークン市場を見据えた取り組みだという。

サンタンデール銀行は、債券の発行から購入、利子の支払いまですべてをブロックチェーン上で行う考えだ。

今回の発表によれば、サンタンデールはまずブロックチェーン上で債券をトークン化し、それを同銀行の別部門がトークン化したマネーで購入した。今回の債券には四半期ごとに1.98%の利子が付くが、利子もトークン化して支払われる。

ブロックチェーン上で債券発行や利子支払いなどを行うことで、債券に関わるプロセスを効率化できたという。

「この自動化のおかげで、1年満期債券はプロセスに必要な仲介者の数を減らし、取引をより速く、より効率的かつ簡単にすることができた

サンタンデールは、今回の取り組みが「将来主流となるセキュリティトークンの潜在的市場への第一歩となる」としている。

今回の債券発行では、サンタンデール銀行傘下のサンタンデール証券サービスが、トークン化と暗号鍵の管理者を担い、サンタンデール・コーポレート投資銀行が、ディーラーの役割を担ったという。

ブロックチェーンを使った債券発行は、世界銀行も行っている。

世界銀行は8月、イーサリアムのプライベートブロックチェーン上で5000万豪ドル分の債券を発行した。豪州のコモンウェルス銀行などが協力した。世銀のブロックチェーン債の発行は昨年8月にも行われている。

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版