OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏らが共同設立した仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」が、ブロックチェーンキャピタル主導のシリーズCラウンドで1億1500万ドルを調達したと伝えられている。これらの資金は、分散型ワールドIDと最近公開された仮想通貨ウォレット「ワールドアプリ」の支援に利用される。
ワールドコインは、「ツールズ・フォー・ヒューマニティ」の開発者たちによって作られ、人間性の証明といったデジタル時代における人工知能の複雑さから生じる問題に取り組むことを目指している。ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ、ベイン・キャピタル・クリプト、ディストリビューテッド・グローバルもこのラウンドで投資を行った。
「AIの時代には、ネット上で人間性を証明し、世界中の人々が自身のアイデンティティと財務をコントロールすることを可能にする、分散型でプライバシーを保護するソリューションが必要だ。追加のリソースは、全世界の誰もが成長するデジタルとグローバルな経済に完全に参加できるような、利便性のある包括的なツールと技術の開発と導入を促進するために役立つだろう」と、ツールズ・フォー・ヒューマニティの製品&ビジネスオペレーション責任者アカルシュ・サンギ氏はコインテレグラフに述べた。
現在、ベータ版として提供されているワールドコインは、すでに200万人以上のユーザーを獲得していると同社は明らかにしている。また、数週間以内にブロックチェーンプロトコルの導入と取引記録の開始を計画している。
今年5月初旬に、同プロジェクトはワールドアプリを発表した。これは、AndroidとiOSの両方のオペレーティングシステムで動作する、人間が認証されたユーザー向けの手数料無料の仮想通貨ウォレットだ。現在、このアプリはポリゴンネットワーク上で稼働しており、ユーザーがUSDコイン、Dai、ETH、ワールドコイン(WLD)、ラップドビットコイン(wBTC)を保持し、転送することを可能にしている。ゼロ知識証明を使用して、ユーザーが人間であることを証明している。
ワールドコインは仮想通貨取引所であるムーンペイとランプと提携、そのウォレット内でユーザーが仮想通貨の購入や売却を簡単に行える環境を提供している。さらに、ウォレットは分散型取引所ユニスワップと統合されており、ユーザーは異なる種類の仮想通貨を直接交換することが可能だ。
ワールドコインのウェブサイトによれば、同社のWLDトークンは、米国およびその他一部の国では利用できないとのことだ。
ワールドコインは2019年に設立され、シリーズAの資金調達ラウンドはアンドリーセン・ホロウィッツ氏、デジタル・カレンシー・グループ、コインベース・ベンチャーズが主導した。元FTXのCEOであるサム・バンクマン=フリード氏とリンクトインの共同設立者であるリード・ホフマン氏も投資家であった。