ロシアの億万長者ウラジミール・ポタニン氏がパラジウムに裏付けされた仮想通貨トークンの作成を計画している。ブルームバーグが3月27日に報じた

ロシアのニッケルおよびパラジウムの金属採鉱企業ノリリスク・ニッケル(MMC Norilsk Nickel PJSC)のポタニンCEOは、スイスを拠点とするパラジウム基金を通じてパラジウム取引のための仮想通貨トークンの展開を計画しており、複数のデジタルプラットフォームの立ち上げを検討しているとしている。

ブルームバーグによると、このプラットフォームで取引がより流動的になるとしている。現在の仕組みは、購入者がすべての契約数量を必要としない場合、別の新しい購入者が見つかるまでサプライヤーと交渉するか、過剰な供給分を一時的に保有するという流れになっている。 ただしトークン化された資産を使用すれば、余剰分をそのプラットフォーム上でより容易に第三者に売却できるようになると期待される。

ノリリスク・ニッケルはまた、内部取引用のデジタルプラットフォームを開発しており、例えばロシアの中央銀行がこれを利用すれば、部門間でのブロックチェーンシステムのテストができるようになるという。このデジタルプラットフォームの立ち上げには法的な承認が必要で、ロシアで然るべき法律が採択されなかった場合には、ポタニン氏は他の地域でもプロジェクトを進めるとしている。

パラジウムは、自動車、歯科、電子機器、宝石、触媒、写真など、さまざまな業界で複数の用途を持つレアメタルで、近年需要が高まっている。

昨年10月、世界最大のダイヤモンド鉱山運営企業であるロシアのアルロサは、同業界大手デビアスが展開するダイヤモンドサプライチェーンのブロックチェーンプラットフォーム「Tracr」のパイロット事業に参加したと発表していた。

また先日、米ブロックチェーン企業パクソスのチャド・カスカリラCEOは、 貴金属と連動する仮想通貨を「間違いなく今年」発表すると述べていた。


翻訳 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。

編集 コインテレグラフ日本版
原文 Russian Mining Giant to Tokenize Palladium