RSIは、株式投資におけるテクニカル指標の1つだ。株が買われすぎか、売られすぎかを判断するための指標として使われる。

RSIは1本のラインで表示されるのでわかりやすく、初心者でも活用しやすい特徴がある。ただし、他のテクニカル指標と同じく万能ではないため、活用方法を理解しておくことが大切だ。

今回はRSIの計算式や使い方、取引タイミングの具体例などについて解説する。


RSIとは

RSIとは、「Relative Strength Index」の頭文字をとった略語だ。日本語では「相対力指数」と呼ばれる。株取引の際に現在の株価が買われすぎか、売られすぎかを表すテクニカル指標として活用されている。

通常、投資家は株価上昇が長く続くと「そろそろ下がるのでは」と感じ、下落が長く続くと「そろそろ上昇に転じるのでは」と考える。しかし、株価はさまざまな要因で変動するため、株価チャートを見ただけで「高すぎる」「安すぎる」と判断するのは難しいだろう。

RSIを確認すれば、現在の株価水準を客観的に判断できる。RSIの水準に照らして買われすぎであれば売り、売られすぎなら買いを検討することになる。


RSIの計算式

RSIは以下の計算式で求められる。

RSI(%)=n日間の上昇幅の合計÷n日間の変動幅の合計×100

数値は0~100%で表され、計算期間内の株価がすべて上昇した場合は100%、すべて下落した場合は0%となる。数値が高いほど買いが強く、低いほど売りが強いと判断できる。

証券会社のツールを使えば自動計算してくれるので、自分で計算する必要はない。ただし、RSIの計算式の意味は理解しておこう。

RSIの日数はいくつかの種類があるが、一般的には14日(日足)が使われることが多い。他の使用日数は以下の通りだ。

  • 日足:9日、22日、42日、52日
  • 週足:9週、13週

投資スタンスに応じて、RSIの最適な使用日数は変わってくる。たとえば、数年以上の保有を前提とする長期投資であれば、週足(9週、13週)が使いやすいかもしれない。まずは14日で試してみて、その後は必要に応じて日数を変更してもいいだろう。


RSIの見方・使い方

RSIは以下の図のように、株価チャートの下に表示されるのが一般的だ。


出所:日経新聞 Smart Chart TOPIXの株価チャートより作成

RSIの数値が70%以上になると買われすぎ、30%以下で売られすぎの目安となる。また、グラフの動きを確認することで、相場の状況やトレンド転換を判断することも可能だ。

RSIの具体的な使い方について確認していこう。


RSIで売買タイミングの判断に活用する

RSIの値に注目すれば、株の売買タイミングの判断に活用できる。30%以下に下がると売られすぎの目安となるため、買いタイミングとなる。一方、70%以上に上がると買われすぎの目安となり、売りタイミングと判断できる

RSIは、株価が下がったところで買いを入れる「逆張り」の手法として使われることが多い。RSIの値を確認するだけなので、初心者でも売買タイミングを判断しやすいだろう。


RSIでトレンドの転換点を見極める

RSIは、トレンドの転換点を見極める手段としても活用できる。以下はTOPIX(東証株価指数)の株価チャートだ。


出所:日経新聞 Smart Chart TOPIXの株価チャートより作成

株価チャートは上昇トレンドにあるが、同じ期間のRSIのグラフは右肩下がりとなっている。このように、株価の動きとRSIが逆行する状態を「ダイバージェンス」という。

ダイバージェンスはトレンド転換のサインといわれており、RSIが示す方向に株価は動くとされている。上記のケースにおいても、株価は下落トレンドへ転換してRSIと同じ方向に動いている。

上記とは反対に、「株価が下落トレンドでRSIが右肩上がり」でもダイバージェンスは有効だ。この場合、株価が上昇トレンドに転じるサインと判断できる。

RSIを活用するときは、ダイバージェンスにも注目しておこう。


RSIを使った取引タイミング

ここでは、実際の株価チャートを用いて、RSIを活用した取引タイミングの具体例を紹介する。


買いタイミングの具体例

以下はトヨタ自動車(7203)の株価チャート(日足、3カ月)だ。


出所:日経新聞 Smart Chart トヨタ自動車の株価チャートより作成

緩やかに上昇していた株価が大きく下落し、RSIが30%以下まで下がっている。このケースでは、RSIが30%を割り込んだところが買いタイミングだ。ただし、株価下落が続く恐れもあるため、株価が上昇に転じたことを確認してから買いを入れてもいいだろう。


売りタイミングの具体例

以下は日東電工(6988)の株価チャート(日足、3カ月)だ。


出所:日経新聞 Smart Chart 日東電工の株価チャートより作成

もみ合い局面から上昇トレンドに入ったが、RSIが70%を超えたところで下落トレンドへ転換し、株価は上昇前の水準まで戻っている。このケースでは、RSIが70%以上になったところが売りタイミングだ。

ただし、株価上昇が長く続く可能性も考えられるので、株価が下落に転じたことを確認してから売りを入れるのも選択肢といえる。


RSIを活用する際の注意点

相場やトレンドによっては活用できない

RSIはシンプルで使いやすいテクニカル指標だが、相場やトレンドによっては活用できないことがある。たとえば、株価の急騰や急落、上昇(下落)トレンドが長く続く場合などは売買タイミングの判断が難しくなる。

具体例として、リクルートHD(6098)の株価チャートを見てみよう。


出所:日経新聞 Smart Chart リクルートHDの株価チャートより作成

緩やかな上昇トレンドが長く続いており、その間、RSIは70%付近に張り付いた状態になっている。このように、売買タイミングの判断基準としてRSIが機能しなくなることがあるので要注意だ。


予測が外れたときに備えて損切りラインを決めておく

RSIは、主に逆張りの手法として活用される。売られすぎだと思って買いを入れても、実際にはさらに株価が下落する可能性もある。RSIで買いタイミングを判断するときは、予測が外れたときに備えて損切りライン決めておき、厳守することを心掛けよう。

ただし、初心者は株価が値上がりしているときに買いを入れる「順張り」で取引するのが基本だ。逆張りに比べると、順張りは損失拡大を回避しやすいため、初心者向きといえる。

利益はやや小さくなるかもしれないが、初心者はRSIが30%以下に下がったタイミングではなく、そこから株価が上昇に転じたことを確認してから買いを入れてもいいだろう。


株価チャートや他のテクニカル指標と併用する

RSIだけでは、売買タイミングやトレンド転換を見極めるのが難しいこともある。単純にRSIが30%以下になったから買い、70%以上になったから売りと判断すると株価は予測通りに動かず、思うような結果が出ないかもしれない。

RSIは万能な指標ではないため、株価チャートや他のテクニカル指標と併用することを心掛けよう。


初心者も使いやすいRSIだが、他の指標との併用がおすすめ

RSIを活用すれば、現在の株価が買われすぎか、売られすぎかを判断しやすくなる。わかりやすい指標で初心者でも使いやすいが、RSIだけを頼りにすると取引タイミングを間違えるかもしれない。

株式投資で安定的に資産を増やせるように、RSIはローソク足や他のテクニカル指標と併用し、ファンダメンタル的要因にも目を向けるようにしよう。

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