仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)の中心メンバーであるロジャー・バー氏は、9月2日、ビットコインABCと開発者トップのアモーリ・サシェ氏が11月15日にビットコインキャッシュからフォークすると述べた。
ただ、「ビットコインキャッシュ」のブランドを本当にビットコインABCが引き継ぐのかは不透明だ。
今回の騒動の原因は、新たにマイニングされたBCHの8%を開発用のファンドに送る「コインベース ・ルール」。ビットコインABCは、最新の0.22.1リリースとして「コインベース・ルール」は11月15日に実行すると発表した。
BCH、BCHN、BU
このルールに反対しているのが、ビットコインキャッシュノード(BCHN)やビットコインアンリミテッド(BU)。両者とビットコインABCがビットコインキャッシュの名前をめぐって争うことになる。
コインダンスによると、BCHNのノード(ネットワークに参加するコンピューター)数は126。BUのノード数は565で、BCHNとBUを合わせるとビットコインキャッシュ全体のノード数である1260の54%を占める。
一方、ビットコインABCのノード数は533で全体の42%だ。
ただこの数字がそのまま反映されるわけではないという見方もある。
ビットコインABCのサシェ氏は、コインテレグラフに対して、「ノード数は簡単に偽ることができる」とし、「BUのほとんどのノードは毎回同じタイミングでアップデートするため同じ実体である可能性が高い」と話した。
サシェ氏は、BUは以前セグウィット2xとビットコインSVを支持した「ゴミ」と批判し、BCHNとBUもうまくいっていないことを示唆した。
仮想通貨業界に再び冷や水?
2018年11月、バー氏やビットメインのジハン・ウー氏が率いるビットコインABCと自称サトシ・ナカモトのクレイグ・ライト氏が率いるビットコインSVが対立し、ビットコインキャッシュは2つのチェーンにハードフォークした。この内輪揉めが2018年年末にかけての仮想通貨投資家の心理を冷やしたという見方も出ている。
今回で3回目となるチェーン分岐はBCHに対して取り返しのつかないダメージを与えることになると心配するビットコインキャッシュの支持者もいる。バー氏に対してTwitterで返信したaiyadtは、「分岐によってBCHがトップ10から陥落する可能性を気づいていますよね?」と不満をぶつけた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン