ロビンフッドが進めるブロックチェーン技術とトークン化への戦略的な取り組みが、同社の株価を過去1か月で約30%押し上げ、新たな成長ドライバーとして注目を集めている。一方で、一部のプロダクトをめぐっては規制当局の監視も強まっている。
ティッカーシンボル「HOOD」で取引されるロビンフッド株は、9日のニューヨーク市場で94.65ドルまで上昇し、2025年7月2日に記録した終値ベースの過去最高値まで残り4%に迫った。
過去1か月で27%以上の上昇を記録しており、年初来では137%の上昇となった。これにより同社の時価総額は820億ドルを超えている。
株価上昇の背景には、2025年第1四半期における売上高が前年同期比50%増の9億2700万ドルに達したことなど、複数の要因があるが、とりわけ6月末に発表されたトークン化に特化したレイヤー2ブロックチェーンの開発計画が材料視された。
この新ブロックチェーンはアービトラム上に構築されており、ロビンフッドがヨーロッパ市場の投資家に対して、ト―クン化された米国株や上場投資商品(ETP)の提供を可能にする仕組みとなっている。
米国市場においても、ロビンフッドは「リアル・ワールド・アセット・エクスチェンジ」という名称のプラットフォーム構想を掲げており、現実資産のオンチェーン決済を目指している。
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CEOはトークン化戦略を強調
ロビンフッドによるトークン化戦略は投資家から歓迎されているものの、ヨーロッパの規制当局はこの動きに慎重な姿勢を示している。
ヨーロッパの規制当局の1つであるリトアニア中央銀行は、同社が提供する株式トークンについて追加の情報提供を求めており、とりわけOpenAIやスペースXに紐づくトークンについて詳細な説明を要求している。
ロビンフッドの最高経営責任者(CEO)であるブラッド・テネフ氏は、これらの製品は厳密には株式提供には該当しないと説明しており、投資家が企業に間接的にエクスポージャーを得られる仕組みだとしている。
ギャラクシー・リサーチによると、こうした非公開企業に関連する株式トークンは、実質的にはデリバティブ(金融派生商品)に近く、直接的な株式保有ではなく間接的なエクスポージャーを提供するものであるという。
テネフ氏は8日にブルームバーグのインタビューに応じ、「多くの非公開企業が、スペースXやOpenAIと同様の株式トークンを通じて、自社株式を投資家に開放する可能性についてロビンフッドにアプローチしてきている」と語った。
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