リップルの共同創業者兼会長のクリス・ラーセン氏、規制の厳しさからリップル社の米国外に移す可能性に言及した。7日に付のフォーチュンが伝えた

現在リップル社はサンフランシスコに本社がある。記事によるとラーセン氏は、米国政府、とりわけSEC(米証券取引委員会)による仮想通貨業界に対する敵意に辟易している。近年はますます規制が厳しくなっており、同氏は、本社を国外に移す可能性が近いと話したそうだ。

ラーセン氏は、LAブロックチェーンサミットでのフォーチュンとのインタビューに答えた。

同氏は米国を離れた際の候補地としてシンガポールか英国が好ましいとみている。

主要3通貨の中で仮想通貨XRPのみがSECによる「証券ではない」判定を受けていない。ビットコイン(BTC)とイーサ (ETH)は公式見解ではないもののSEC委員長や関係者から「証券ではない」、つまり証券法の適用対象外というお墨付きを得ている。

リップル社は多くのXRPを保有しているものの、XRP自体が中央集権的な管理を受けているわけではなくビットコインやイーサ と同等であるという立場を維持している。

ラーセン氏は、仮想通貨やブロックチェーンなどイノベーションの分野で米国が中国に遅れをとっていることに警鐘を鳴らしている。今年8月には、中国がデジタル通貨でリーダーシップを発揮している背景には、世界の準備通貨としての米ドルをデジタル人民元で置き換える「1世紀に1度」のチャンスがあると指摘。米国政府に対して、積極的なブロックチェーン制作の推進を促した。

米大統領選と仮想通貨

またラーセン氏は、次の米国大統領にジョー・バイデン前大統領が就任した場合、仮想通貨業界にどのような影響があるのか言及。バイデン政権はエネルギー消費の激しいマイニング産業に炭素税をかけると見込まれることから、マイニングの海外勢を追い出すことになると予想した。

現在、中国のマイナーが仮想通貨65%の生産量をコントロールしているが、それはすなわち中国共産党による独裁的なコントロールに晒されやすいマイナーの数の多さを示していると指摘した。