ユーティリティトークンを巡る研究によれば、発行者が取引所に上場する前に、基本的なレベルの透明性を提供する必要があることを示唆している。これにより利害関係者の信頼を高め、新しい市場参加者を引き付けることができると指摘している。

情報開示が仮想通貨のパフォーマンスの鍵に

デューク大学ロースクールのFinRegブログの6月25日の記事では、ニコラス・クラペルス氏とダン・リーバウ氏の2人がユーティリティトークンと情報開示の関係について論じている。

著者らによれば、仮想通貨業界の専門家の多くはユーティリティトークンの発行者が十分な情報を関係者に開示しているとは考えていないと指摘。これが、仮想通貨が流通市場でうまく機能しない理由である可能性があると主張している。

記事では、情報開示すべき7つの項目について概説している。この7項目の中には財務関係と非財務関係の両方の側面がある。

トークン発行者の情報、初期および現在の現金ポジション、トークン関連のウォレット情報といったものや、テレグラムや電子メールなどの連絡先情報、プロジェクトの進捗状況の更新、オープンソースコードや関連ドキュメントの開示を挙げている

仮想通貨価格との相関  

著者らのブログ記事は、「暗号通貨とユーティリティトークン発行者の最小開示要件に関するエッセイ」と呼ぶ論文がもとになっている。この中では、テゾスやヘデラ、アルゴランド、ソーチェインに関するケーススタディが含まれている。

調査では必要最小限な情報開示の取り組みによって、これらの仮想通貨の価格にプラスの影響を与えているとしている。

ニコラス・クラペルス氏は、コインテレグラフに次のようにコメントしている。

「『インサイダー情報』が仮想通貨市場で利益を上げる唯一の方法だと主張する人々もいる。一方で、ほかの人々は、業界を前進させ、公正に扱われることを望んでいる。ブロックチェーンエコシステムの普及促進の道を探しているならば、私たちが必要とするのはこの方法だ」

「『インサイダー情報』が仮想通貨市場で利益を上げる唯一の方法だと主張する人々もいる。一方で、ほかの人々は、業界を前進させ、公正に扱われることを望んでいる。ブロックチェーンエコシステムの普及促進の道を探しているならば、私たちが必要とするのはこの種のアドボカシーだ」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン