2019年にイーサ(ETH)、トロン(TRX)、EOSの3つのブロックチェーン「ビッグ3」が分散型アプリ(dApps)の取引高で98.65%を占めていた。ダップレビューがレポートを出した。
総合1位はイーサで分散型アプリの数は2146。アクティブユーザーは182万人で、取引高は128億1000万ドル(約1兆3800億円)だった。
2位はトロンでアプリの数は663。アクティブユーザーは98万920人で、取引高は44億2000万ドル(約4770億円)。3位のトロンのアプリ数は668。アクティブユーザーは72万9450人で、取引高は61億ドル(約6600億円)だった。
(出典:DappReview report「dApps市場の総合ランキング」)
取引高は全体で230億ドル(約2兆5000億円)。新たに1955のアプリが追加された。しかし、ダップレビューは、中央集権型のアプリに比べて市場規模がまだ小さいと指摘した。
EOSは、昨年末に失速。原因は11月に発生したEIDOSトークンのエアドロップ(無料配布)によるEOSブロックチェーンの渋滞だ。
「ブロックチェーンのラスベガス」という異名を持つトロンは、取引高の90%が賭博関連のアプリ。ジャスティン・サンCEOはステーブルコインのテザー(USDT)発行など用途の多様化を図っているものの、まだ偏りが顕著な状況となっている。
一方、2019年はイーサにとって、メーカーのステーブルコインDAIの躍進などが顕著でDeFi(分散型金融)の年だった。取引高全体に占める金融の割合も急速に高まっている。
(出典:DappReview report「イーサdApps取引高に占めるDeFiの割合」)
ただDeFiにも課題はある。デイリーのユニークユーザーが50人を超える「アクティブなプロジェクト」の数は2019年に倍近く増えたものの、20未満と低い水準だ。
また、仮想通貨業界の中でDeFiの規模は小さいままだ。ステーキングのためにロックアップされた仮想通貨の額は最大60億ドルでDeFi全体の5倍以上となっている。
最後にDeFiの市場は伝統的な債務市場に比べて「取るに足らない」規模だ。
【関連記事:仮想通貨EOSのブロックチェーンで”渋滞” 「原因はEIDOSエアドロップ」とコインベース指摘】
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン