ビットコイン(BTC)は2019年、歴史的に低いボラティリティを示していた。仮想通貨分析のSFOXが8日に公表したレポートの中で主張している。ただし、資産クラスとしての仮想通貨が株式市場と比較すると、以前リスクが高いままだとも指摘している。

2019年12月のSFOXのレポートでは、ビットコインやアルトコインの19年全体のパフォーマンスを分析した。

金(ゴールド)や株式など従来型の資産と比較して、ビットコインは過去6か月間、相関は非常に低いままだった。30日間の平均相関は、米株式指数のS&P500で-0.037、金で0.149だった。さらにビットコインとアルトコインとの相関関係は、最高だった0.7から0.4にまで低下した。

さらに、ビットコインのボラティリティは今年後半に低下。仮想通貨市場は、従来型資産と比較すると変動幅は高いものの、2018年と比較して比較的低い価格変動だった。

Volatility of Leading Cryptoassets

出典: SFOX report

低いボラティリティとほかの資産との相関が低いことで、「2019年にBTCはポートフォリオの魅力的なツールになった」と、SFOXは結論付けている。

2019年のビットコインのパフォーマンスは93.8%。これは、S&P500の29%や金の52.8%と比較しても印象的な結果だ。しかし、ボラティリティが低いことは市場の成熟度が徐々に増していることを示している可能性があるものの、リスクは依然として大きい状態でもあるという。

リスクに対するリターンを測るシャープレシオは、S&P500の方が高かった。S&P500が2.54だったのに対して、ビットコインは1.74となっていた。つまり株式市場の方が仮想通貨よりも効率よくリターンを上げているということになる。

この傾向が2020年も続くかどうかはまだわからない。SFOXはビットコインの半減期到来とオプション取引の導入が潜在的なプラス要因になると指摘している。一方で、最近のYouTubeによる仮想通貨コンテンツの突然の削除のように、ハイテク企業による圧力が今後のリスクになるともしている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン