米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長が失職の危機に瀕している。ウォーレン・デイビッドソン米下院議員がゲンスラー氏を解任するための法案を提出すると宣言した。

デイビッドソン議員は4月15日のツイートで、コインベースの法務責任者ポール・グリューアル氏に返信し、SECが「取引所」の再定義を見直すと発表したことを受けて、ゲンスラー氏の解任を求める意向を明らかにした。「一連の乱用を正すため、SEC委員長を解任し、取締役会に報告する執行ディレクターに交代させる法案を提出する」とデイビッドソン氏はツイートした。

また、「元SEC委員長は対象外」と付け加えた。

ゲンスラー氏は4月14日の会議で、提案された規則改正案が、特定のブローカーを追加の規制監督下に置くことや、取引所を定義する規則を「近代化」することで、投資家や市場に利益をもたらす可能性があると述べた。

同様の改正案は2022年1月に提案されていた。当時、仮想通貨支持団体は、SECの権限の範囲を超えたもので、この分野への参加が危険にさらされると主張した。

仮想通貨に友好的な立場で「クリプトマム」として知られるSECのヘスター・ピアース委員は、4月14日の声明で新たな提案された規則改正を批判し、「停滞、集中化、国外への移転、新技術の絶滅が、SECの最新の動きのキーワードである」と批判した。

「これまでのように新技術を受け入れるのではなく、停滞を受け入れ、集中化を強制し、国外追放を促し、新技術の消滅を歓迎することを提案している」

「従って、私は反対である」と主張した。

ピアース氏は、過去に新技術を受け入れたSECとは異なり、現代の規制当局は「存在しない問題を解決するために」権限を拡大していると指摘。さらに、SECが新技術や新しいビジネス方法に対して、現行規制を変更することを拒否するアプローチを取っていると主張した。

「今日の委員会は、市場で新しいことを試みる起業家たちに、まずは登録しろという。起業家たちが登録できないことが分かったとき、委員会は登録枠組みを実用的に調整し、起業家たちを助ける代わりに、取締り行動で『善意』に報いる」

また、SECが「意見募集ルール制定プロセス」を脅しとして使っているとピアース氏は非難。彼女は、新たな提案された規則変更の曖昧さや範囲に関する懸念、そしてSECの「限定的な理解」のため、コンセプトリリースが発行されるべきだったと述べた。

「私たちは違う方法で進めるべきだった」とピアース氏は語った。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン