米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長が失職の危機に瀕している。ウォーレン・デイビッドソン米下院議員がゲンスラー氏を解任するための法案を提出すると宣言した。
デイビッドソン議員は4月15日のツイートで、コインベースの法務責任者ポール・グリューアル氏に返信し、SECが「取引所」の再定義を見直すと発表したことを受けて、ゲンスラー氏の解任を求める意向を明らかにした。「一連の乱用を正すため、SEC委員長を解任し、取締役会に報告する執行ディレクターに交代させる法案を提出する」とデイビッドソン氏はツイートした。
Yep. To correct a long series of abuses, I am introducing legislation that removes the Chairman of the Securities and Exchange Commission and replaces the role with an Executive Director that reports to the Board (where authority resides). Former Chairs of the SEC are ineligible. https://t.co/VBnkgt8bhM
— Warren Davidson (@WarrenDavidson) April 16, 2023
また、「元SEC委員長は対象外」と付け加えた。
ゲンスラー氏は4月14日の会議で、提案された規則改正案が、特定のブローカーを追加の規制監督下に置くことや、取引所を定義する規則を「近代化」することで、投資家や市場に利益をもたらす可能性があると述べた。
同様の改正案は2022年1月に提案されていた。当時、仮想通貨支持団体は、SECの権限の範囲を超えたもので、この分野への参加が危険にさらされると主張した。
仮想通貨に友好的な立場で「クリプトマム」として知られるSECのヘスター・ピアース委員は、4月14日の声明で新たな提案された規則改正を批判し、「停滞、集中化、国外への移転、新技術の絶滅が、SECの最新の動きのキーワードである」と批判した。
「これまでのように新技術を受け入れるのではなく、停滞を受け入れ、集中化を強制し、国外追放を促し、新技術の消滅を歓迎することを提案している」
「従って、私は反対である」と主張した。
ピアース氏は、過去に新技術を受け入れたSECとは異なり、現代の規制当局は「存在しない問題を解決するために」権限を拡大していると指摘。さらに、SECが新技術や新しいビジネス方法に対して、現行規制を変更することを拒否するアプローチを取っていると主張した。
In addition to ironing this t-shirt (which republishes code from a comment letter), will I need to register as an exchange before wearing it? "It depends," per the SEC's latest release: https://t.co/mARz8FzNZD pic.twitter.com/xD7Lx2kJE6
— Hester Peirce (@HesterPeirce) April 14, 2023
「今日の委員会は、市場で新しいことを試みる起業家たちに、まずは登録しろという。起業家たちが登録できないことが分かったとき、委員会は登録枠組みを実用的に調整し、起業家たちを助ける代わりに、取締り行動で『善意』に報いる」
また、SECが「意見募集ルール制定プロセス」を脅しとして使っているとピアース氏は非難。彼女は、新たな提案された規則変更の曖昧さや範囲に関する懸念、そしてSECの「限定的な理解」のため、コンセプトリリースが発行されるべきだったと述べた。
「私たちは違う方法で進めるべきだった」とピアース氏は語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン