ルノーグループ(Renault Group)は10日、自動車部品のコンプライアンス認証を容易にすることを目的として、ブロックチェーンを使ったプロジェクトを開始した。
このプロジェクトは「Extended Compliance End-to-End Distributed(XCEED)」はデータを共有することでブロックチェーンのサプライチェーンソリューションを開発することを目的。ハイパーレジャーファブリックのネットワーク上に構築され、IBMと共同で展開される。XCEEDは自動車部品の規制遵守を追跡し、認証する。
ルノーはフランスのドゥエー工場でXCEEDをテストし、100万件以上の文書を処理。1秒間で500件のトランザクションを行ったという。
XCEEDは、部品メーカーと自動車製造企業の間でのコンプライアンス情報を共有することで、プラットフォームが情報共有を高速化し、リアルタイムでの納品を実現すると期待している。XCEEDは、機密性の高いデータを共有するための信頼できるネットワークを構築するという。
ルノーのこのプロジェクトのパートナーには、コンチネンタル、フォーレシア、プラスチックオムニアム、サンゴバンが名を連ねている。
自動車メーカーは、9月1日に新たな市場監視規制が施行されたため、より優れたコンプライアンスソリューションの必要性が生じている。2020年に改正される欧州連合(EU)の指令2007/46/ECでは、安全基準や環境基準を満たすための車両や部品の監視を強化。ルノーは、こうしたコンプライアンスへの対応のために、生産チェーン全体の構造を調整する必要に迫られている。
ルノーグループのブロックチェーン担当副社長であるオディレ・パンシアティーチ氏は、次のように述べている。
「我々が始めたXCEEDプロジェクトは、ルノーグループの革新性を強力に示している。我々は、ブロックチェーンが自動車産業を変革するためのベクトルであると確信している。ブロックチェーン技術は、パートナーの様々なプロセス、コンピュータシステム、データベース間のリンクを提供し、多くの異なる企業が関与する広大なエコシステムの中で活用される。自動車業界ではこの種の技術は複数の用途があり、サプライヤーや顧客、独立した販売代理店など、社外の無数の企業や関係者との交流がある。」
ルノーがブロックチェーン技術に参入するのは今回が初めてではない。ルノーは、自動車大手のBMW、GM、フォードやテクノロジー企業のIBM、ハイパーレジャー、ボッシュ、IOTAとともに、モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ(MOBI)に取り組み、ブロックチェーン上に車両識別番号のデータベースを作成した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン