2020年8月のボラティリティレポートで、米国を拠点とする仮想通貨(暗号資産)取引所クラーケンは、9月のビットコイン(BTC)のリターンがマイナスになる可能性があると予測している。

レポートでは、歴史的に9月はビットコインの月間パフォーマンスが最も悪いと指摘している。9月の平均リターンはマイナス7%だ。ビットコインは2020年のほとんどの月で平均リターンを下回っているため、今年9月のパフォーマンスが通常よりもさらに悪くなる可能性が高いと、クラーケンのレポートは述べている。

短期的には弱気な見通しではあるが、レポートでは先行きについて明るい兆しもあると主張している。レポートによれば、8月31日の時点で、ビットコインブロックチェーンの未使用トランザクション出力(UTXO)の63%が1年以上移動していない。クラーケンは「今までにない数のビットコインが長期保有者の手元にある」と指摘し、新しい強気市場を予感させるものであると述べている。

レポートは、7月の低い変動率(「抑制されたポケット」)から遠ざかるにつれて、ビットコインが大きな変動を見せる可能性が高いとも付け加えている。

「過去12回、ビットコインの年間変動率は15%から30%の間で底をつき、平均して140%に上昇し、94日間で+196%のリターンとなっている。8月末の時点で、7月24日に設定された23%の変動率の低さから38日が経過し、ボラティリティは44%に上昇し、価格は+25%上昇している」

「したがって、今後数か月以内に変動率と利益が増加する余地は十分にある可能性を、歴史的に示している」と、レポートは説明している。

クラーケンはまた、9月は歴史的に平均して最も弱いボラティリティだったと指摘し、BTCは少なくとも2020年第4四半期までボラティリティが加速しない可能性があることも示唆している。

またクラーケンのレポートでは、ビットコインと金(ゴールド)との相関関係についても触れている。金とビットコインとの正の相関は8月に0.97と史上最も高い数値まで上昇したが、その後は急激に落ち込み、0.25にまでなっている。

また米国の株式指数S&P500との相関については、8月に0.84まで上昇したが、その後に急減し、マイナス0.02にまで落ち込んだ。

これらの数値は、ビットコインが株式や金といった伝統的な市場との相関関係から外れている傾向を示す可能性があるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン