今年はポール・チューダー・ジョーンズ氏やスタンリー・ドラッケンミラー氏など、伝統的な金融市場の有名投資家がビットコイン投資の開始を相次いで明らかにしてきた。しかし、「カリスマ投資家」として知られるレイ・ダリオ氏は、まだ考えを変えていないようだ。

世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツを率いるダリオ氏は、11月7日にYahoo!FinanceのYouTube番組に出演し、ビットコイン(BTC)に懐疑的な見解を改めて示した。

インフレヘッジのための資産として注目されるビットコインだが、ダリオ氏は、価値保存手段としてビットコインが金(ゴールド)の代替となる可能性に否定的だ。ダリオ氏は、金は富の貯蓄手段としてかつては政府によって綿密に調査されたが、ビットコインに同じようなことが起きるとは思えないと述べた。

「私は金よりビットコイン選好するということはない。金は、現金の代替手段として中央銀行や国が使う手段になるだろう」

また同氏は、ビットコインの通貨としての可能性も否定。ビットコインは価格のボラティリティ(変動幅)が大きすぎる上、交換手段としてのユースケースが少なすぎると述べた。また、政府によるコントロールが欠けている点も、通貨としての使用を妨げる理由になっていると話した。

ダリオ氏は、未曾有の金融政策によって金余りの状態が生まれ、法定通貨の価値が下落しているという問題意識を持っているものの、ビットコインなど仮想通貨には否定的な立場をとっている。今年1月にも、お金には価値交換手段と富の蓄積という目的があるが、ビットコインはどちらの場合でも効果的ではないと述べていた