バイナンスにおけるビットコイン/ステーブルコイン比率が、歴史的に相場の底と一致してきた水準に接近している。この指標はバイナンスのビットコイン準備金とステーブルコイン準備金のバランスを追跡するもので、現在は1に近づいている。直近でこの水準に達したのは3月で、その際ビットコインは7万8000ドルまで調整した後、12万3000ドルの史上最高値まで上昇した。

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バイナンスのビットコイン/ステーブルコイン比率 Source: CryptoQuant

クリプトクオントのデータによれば、このパターンは直近の弱気市場以降わずか2回しか出現しておらず、買いシグナルとして注目を集めている。ただし過去のサイクルでは、この比率は2023年の弱気市場末期や直近3月の局面で点灯しており、今回の出現は誤ったシグナルとなるリスクもある。底を示すのではなく、むしろ長期的な調整の始まりを示唆する可能性もある。

比率の裏付けとなるのは、バイナンスのERC-20ステーブルコイン準備金が過去最高の378億ドルに達した点だ。安定的な資金流入と深い流動性を反映しており、投資家はBTCへの過剰なエクスポージャーを抱えているようには見えず、待機資金が控えている状況が示されている。

一方でビットコイン研究者のアクセル・アドラー・ジュニア氏は、市場はいまだ「修復段階」にあると警告している。同氏によれば、ビットコインは現在、短期保有者の実現価格である10万7600ドルをわずかに上回っている。これは月次の強気サポートゾーンとされる重要な水準だ。

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ビットコイン 月足チャート. Source: Axel Adler Jr./X

構造的な指標は依然として健在であり、全体の実現価格は5万2800ドル、長期保有者の実現価格は3万5600ドルと、いずれも現在の価格を大きく下回っている。純未実現損益比率(NUPL)は0.53で、市場が広範に利益状態にあることを示すが、まだ過熱した水準には至っていない。

要するに長期的な視点では強気トレンドは維持されているものの、短期的に投資家が利益確定に動きやすい水準でもあり、保ち合いが長引く可能性がある。今回のバイナンス比率が再び転換点を示すのか、それとも波乱の兆候となるのかは、ビットコインが重要なサポートを維持できるかにかかっている。

50週SMAが弱気市場リスクを規定

ビットコインにとってもう1つの重要な指標は50週間単純移動平均線(SMA)である。この水準は2018年以来、一貫してサイクルの転換点を示してきた。過去のデータでは、ビットコインが週足で50SMAを下回って終えた場合、その後は長期的な調整局面に入り、2018年には63%、2022年には67%の下落を記録した。唯一の例外は2020年で、新型コロナウイルスによる急落の後で、この時にはビットコインは素早く反発した。

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ビットコインの週足チャート Source: Cointelegraph/TradingView

2023年3月以降、ビットコインは50SMAを上回って推移しており、2024年8月や2025年3月の再テストでも週足終値で割り込むことはなかった。調整後の水準に基づくと、9万ドルから9万5000ドルのレンジに下落すれば、このサイクルで初めて50SMAを下抜ける可能性がある。

もしそうなれば、弱気市場入りを示す明確なテクニカルシグナルとなり、現在の保ち合いが上方に解消されるのか、あるいはさらに深い調整へと進むのか、その分岐点が鮮明になるだろう。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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