ポイント

・9,9万ドルから9万ドルに急落

・下降チャネル、三角持ち合い上抜けはダマし、逆に下抜け

・Bybitの史上最大14億ドルのハッキング

・延期されていたカナダ・メキシコ向け25%関税実施発言

連休中のBTC相場

連休中のBTC相場は大きく下落。

金曜日に9.9万ドル(約1485万円)台半ばに値を伸ばしたが、土曜日に9.5万ドル(約1425万円)割れに失速。9.7万ドル(約1455万円)手前に値を戻したが、今朝方9万ドル(約1350万円)台に急落した。

BTCは月初のカナダ・メキシコ向け25%、中国向け追加10%関税で10.6万ドル台から9.1万ドル台に急落、カナダ・メキシコへの課税延期で10.2万ドル台へ反発、中国は発動して9.6万ドル台に失速するなど乱高下。

その後は緩やかな下降チャネルで推移しつつ年初からの三角持ち合いも形成し方向感の薄い推移を続けていた。しかし先週木曜日に9.7万ドル近辺をネックラインとする下向きの小さなヘッドアンドショルダーを形成、レンジの上限を上抜け9.9万ドル台に上値を伸ばし、2月15日に跳ね返された月初の急落の半値戻し9.8万ドルを上抜けた。

しかし、例によって、米市場がオープン後に弱含むと、海外大手交換所Bybitで14億ドルのハッキングが発生、同交換所から大量の出金も報告される中、前述のヘッドアンドショルダーのネックラインを割り込むと、BTCは9.4万ドル台に急落した。

その後、Bybitが出金を完了すると市場にやや安心感が生まれ9.7万ドル近辺に値を伸ばしたが、9.7万ドルのサポートがレジスタンスとなった。同じ頃、モンタナの下院が州政府の戦略備蓄法案を否決、BTCは上値を重くした。

週明け、Bybitが北朝鮮と思われるハッカーに盗まれた14億ドル相当のETHの残高が回復したことを報告したが、Binanceに口座を持つ投資家とBitgetから借りてきたものだと判明、同額の買いが入るとの市場の期待は裏切られた。

また、マイクロストラテジーが調達した20億ドルで2万BTC強の購入を発表。この買いも一巡したこともあり、例によって米市場がオープンすると9.3万ドル台に値を落とした。

今朝方、トランプ大統領が3月4日に延長期限を迎えるカナダ・メキシコ向け関税を予定通り前進させると発言するとリスクオフ気味に急落、一時9万ドル台まで値を下げた。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。