著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・43,000ドルを挟んでのもみ合い

・GBTC売り後退と3月利下げ観測後退で方向感出ず

・先週、4割下げたNYCB株がさらに2割下落

・BTC買いはFRBへの不信任票の側面も

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い。

一昨日から昨日早朝にかけて43,000ドル(約640万円)台後半から42,000ドル台前半に失速したが、その後は概ね43,000ドルを挟んでのもみ合い推移となった。

BTCはETFローンチ後の下落の半値戻しトライに失敗するとISM非製造業の支払価格が強く出たこともあり42,000ドル台に急落した。

しかし2月5日のGBTCからの流出が108百万ドルと順調に減少していたことを好感、じりじりと値を戻し始めた。更にETF全体のフローも68百万ドルと7営業日連続でのプラスとなったことも好感され、一時43,000ドル台を回復した。

その後、ソラナのネットワークが一時ダウンした影響で42,000ドル台に値を落としたが、米株がオープンすると、先週の決算発表で商業用不動産向け融資の引き当てを積み増し、減配したことで株価が4割近く下落していたニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)株が更に2割超の続落、質への逃避で米長期金利が低下、ドル売りとなる中、BTCは43,000ドル台に切り返した。

その後は、イエレン財務長官が下院公聴会でステーブルコインなど証券に該当しない暗号資産規制の法制化の必要性を訴えたことやSECがDeFiなどへの影響が懸念されるマーケットメーカー登録の範囲を拡大、また暗号資産業界連合とクレイグ・ライト氏との裁判2日目などが話題に上ったが、市場に与える影響は限定的だった。

米国債の四半期入札初日の3年債入札が好調だったこと、GBTCの資金流出が73百万ドルに減少したこともあり43,000ドル近辺で底堅く推移している。

本日のBTC相場

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