楽天とJR東日本は5日、都内で共同記者発表会を開催してキャッシュレス決済事業で連携すると発表した。

今回の提携により楽天ペイメントが運営するアプリ「楽天ペイ」内で、JR東日本が提供する交通系ICカード「SUICA」の発行やチャージができるようになり、全国の鉄道約5000駅、バス約5万台や約60万店舗で利用できるようになる。

( 左:JR東日本 常務執行役員 野口忍氏  右:楽天ペイメント 代表取締役社長 中村晃一氏)

楽天にとっては決済領域で他社と提携するのは初めて。楽天ペイメントの代表取締役社長である中村晃一氏は、「SUICAという社会インフラとも言える強力なサービス」と協力できることを歓迎した。また、JR東日本の常務執行役員である野口忍氏は「SUICAにとって弱いものを補うベストパートナー」と述べた。

質疑応答の中で楽天ペイメントの中村氏は、楽天ペイでSUICAをチャージをすれば楽天ポイントを付与することも検討していると話した。

(楽天ペイメント 代表取締役社長 中村晃一氏)

楽天は、昨年8月に子会社の楽天カードを通じて仮想通貨取引所みんなのビットコイン(楽天ウォレット)を買収。楽天ウォレットは、3月25日に金融庁登録されたばかりだ。4月15日に新規口座開設の申し込みを開始し、取引開始は今夏以降の予定と発表している

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一方、JR東日本は楽天ウォレットと同じ日に金融庁に登録された仮想通貨取引所ディーカレットに出資する企業の1つ。3月25日、ディーカレットの時田一広代表取締役社長はJR東日本が発行する電子マネーのSUICA(スイカ)を仮想通貨でチャージできるサービスを検討していると発言し、話題を呼んだ。

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