中央銀行デジタル通貨(CBDC)のコンセプトを検討する国が増えつつあるが、人口280万人のカタールもそこに仲間入りする。カタール中央銀行は現在、デジタル通貨発行の「基礎段階」にあるという。

今月21日に開催されたカタール経済フォーラムでの「インフレテスト」セッション中、カタール中銀のシェイク・バンダル・ビン・モハメッド・ビン・サウド・アル・ターニ総裁は同中銀がCBDCのための技術的ソリューションを模索していることを明らかにした。アル・ターニ総裁はこのプロジェクトは現在初期段階にあるとし、以下のように述べた。

「多くの中央銀行が現在CBDCの発行を検討しており、私たちも例外ではない。とはいえ、計画はまだ基礎段階にある。CBDC発行におけるメリットとデメリットを吟味し、CBDCを発行するための適切かつ妥当な技術とプラットフォームを探しているところだ」

「現在、仮想通貨は革新的技術であり、素早く安価でアクセスしやすい金融サービスの新時代へと私たちを導いてくれる可能性がある。しかしその一方で、金融当局によって管理されていない仮想通貨資産は信頼性に欠ける可能性がある」とアル・ターニ総裁は付け加えた。

カタール中銀がCBDC導入の可能性を検討していることが最初に報じられたのは今年3月のことだった。当時、同中銀のフィンテック部門責任者であるアラノッド・アブドゥラ・アル・ムフター氏は、グローバル市場の傾向を踏まえて、CBDCのコンセプトを調査していることを明らかにしていた