匿名性を重視した仮想通貨であるZcash(ジーキャッシュ、ZEC)が、最初のネットワークアップデートである「Zcash Overwinter(オーバーウィンター)」のリリースを発表した。3月2日に公式ブログで伝えた。

 ブログによると、オーバーウィンターは早くて2018年4月からZcashのバージョン1.1.0でサポートが開始される。ロードマップによると、オーバウィンターは2018年9月に導入が予定されているプロトコル「サップリング」のアップグレードのために必要とのことだ。

 「オーバーウィンターの目的は、将来のネットワークアップグレード、つまり今年の終わりのジーキャッシュ・サップリングネットワークのアップグレードのためにプロトコルを強化することだ」と公式ブログは解説している。

 同ブログによると、オーバーウィンターソフトウェアは、取引の有効期限、バージョンコントロール、ネットワークアップグレードのためのリプレイプロテクション、そして取引の透明化のための総合的な改良などの新しい機能を実装するようだ。

 また、ジーキャッシュユーザーがこのネットワークアップグレードを受けるために必要なことは、そのソフトウェアを最新に保つことだけだと言う。

 「ジーキャッシュソフトウェアを最新に保つこと以外に特に必要なことは無い。このネットワークアップデートは、ブロックチェーンのフォークや新しい通貨を生み出すことを予定していない」。

 2016年10月28日にローンチされたZcashは、zk-SNARKsという「ゼロ知識」暗号化手法を通してユーザーの匿名取引を可能にしている。時価総額は現在約1400億円ほどで、第24位の仮想通貨となっている。

 Zcashは匿名通貨としては「有望銘柄」で、先月も米デジタルカレンシーグループ傘下で仮想通貨投資やビットコイン投資信託の運営を行うグレイスケールインベストメンツが、Zcashの価格が2025年までに6万2000ドル(約680万円)を超える可能性があると予測していた。オフショア資産全体の10%の受け皿になるとの仮定から算出された価格だという。