米ドルの下落を受け、貴金属価格が急騰している。金は1オンスあたり4000ドルに達し、銀も45年ぶりに50ドルを突破した。しかし、この上昇相場はすでにピークを迎えつつあり、投資家はビットコイン(BTC)やトークン化された実物資産など、代替的な価値保存手段へと資金を移す可能性がある。

金は年初来で50%超上昇しており、ゴールドマン・サックスは2026年末までに1オンス4900ドルを予測している。暗号教育メディア「コイン・ビューロー(Coin Bureau)」の創設者ニック・パックリン氏は、この状況を「過熱気味」と指摘した。

「金価格が年初から50%以上上昇した今、同様の見方を表現できる他の手段に注目が移る可能性がある。それは他の金属やコモディティ、トークン化資産、そして金と比べて依然として割安なビットコインだ」
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Gold rallies to a new all-time high of over $4,000. Source: TradingView

パックリン氏は、これらの資産はいずれも法定通貨のインフレや地政学的リスクに対するヘッジとして機能すると付け加えた。

ビットコインは10月に12万6000ドルを突破し、貴金属と並ぶ史上最高値を記録した。一方で、米ドルは1973年以来最悪の年となる見通しであり、投資家の信頼を失いつつある。

米ドル下落がビットコインに追い風

米ドルは年初来で10%以上下落しており、1973年以来最悪の年になる見通しだ。2000年以降、米ドルは購買力の40%を失っていると、日曜日にコベッシ・レター(The Kobeissi Letter)の市場アナリストが記した。

米ドルの切り下げは、価値保存資産とリスク資産への同時流入を引き起こしている。通常、安全資産や価値保存資産は株式などのリスク資産が下落する局面で上昇し、その逆もまた然りだ。

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Bitcoin’s price surges as the DXY, which represents the strength of the US dollar and is shown as a blue line, declines. Source: TradingView

アナリストらは、これは投資家が「新たな金融政策時代」を織り込み始めている兆候だと指摘する。インフレ率が高止まりし、政府が通貨価値の切り下げによって財政運営を行う体制が続けば、すべての資産価格が上昇することになるという。

ビットワイズ(Bitwise)の最高投資責任者マット・ホーガン氏は、通貨の切り下げが続く中で投資家が資産保全を目的に安全資産へ流入しているため、ビットコインは第4四半期に大幅な上昇を遂げる可能性があると述べた。

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