メディア共有・広告プラットフォームのスナパラッチが、ブロックチェーンベースのプラットフォームの実用最小限製品(MVP)のリリースを発表した。同アプリの狙いは、スマートフォンを持っていれば誰でも「記者」やコンテンツクリエイターになれるようにすることである。報道価値のある出来事を見つけた利用者は、その映像か写真をスマートフォンで撮影し、同プラットフォームを利用して共有する。テレビ局、新聞社、ラジオ局など、興味を持った購入者は法定通貨でコンテンツの代金を支払う。そして利用者はプラットフォームの対価支払い用トークンであるスナップコインで支払いを受ける。プラットフォームの対象にはコンテンツクリエイターも含まれており、スナパラッチでのコンテンツ作成や閲覧による報酬は、ユーチューブと比べて遥かに高いとしている。

アプリケーションの仕組み

同社によると、同プラットフォームは従来型メディアが直面する「メディアの不完全な取材」という問題の解決を目的としている。多くのメディア企業は現場に送るジャーナリストが不足しており、そのための費用も高額だ。スナパラッチは、利用者が興味深い社会的・政治的・娯楽的な出来事の映像を撮影し、その映像を共有して報酬を得ることを促進することによって、問題を改善できるとしている。これが意味するのは、スマートフォンを持っていれば誰でも独占コンテンツの「唯一無二の情報源」になれるということだ。さらに、このような潜在的情報源の数は毎年増加している。スタティスタの分析によると、世界の携帯電話の利用者数は19年までに50億人以上に達すると見られている。

スナパラッチは、ブロックチェーン技術を用いて利用者がニュース速報映像を販売できる革新的なオークションシステムを約束しており、また、販売価格の80パーセントという適正な報酬額を保証しているので、割りに合う取引を確実に行うことが出来る。これにより、利用者は最高額を選択して最高入札者にコンテンツを販売することができる。広告収入を分配したり利用者がスナップコインを稼ぐもう一つの手段として、同社はターゲティング広告の閲覧による報酬獲得を挙げている。閲覧中に広告を表示するかは選択可能なので、利用者はビデオに広告を含めるかどうかを随時に決めることができる。スナパラッチでより上位の利用者を目指したければ、モデレーターになれるチャンスがある。モデレーターの仕事では、他の利用者に最も関連性の高いコンテンツを確実に閲覧してもらえるようにすることが求められる。モデレーターによる効果と業績は他のメンバーによって査定され、それに基づきスナップコインによる報酬の支払いが行われる。

スナパラッチはプラットフォームの全利用者が稼げると断言している。同社の収益分配モデルでは、広告収益の60パーセントがコンテンツクリエイターに属し、購入者の支払い金額の80パーセントが記者のものとなり、収益の2パーセントをモデレーターが受け取り、広告収入の20パーセントが閲覧者の分け前となる。

ブロックチェーンの組み込み

スナパラッチでの支払いに使用されるスナップコインは、イーサリアムベースのトークンである。スマートコントラクトにより全ての入札がブロックチェーン上に保存される。購入者と販売者がコンテンツの値段に同意した際に、このスマートコントラクトが利用される。スナパラッチは、ブロックチェーンの利用によりコンテンツ報酬の送金が自動的かつ即時に行われ、著作権の保護を選択できるようになるとしている。ブロックチェーンによりプラットフォームで発生する全ての取引は変更不可能な台帳として保管されるので、耐タンパー性が確保され、サイバーセキュリティーの脅威に対して保護される。

将来の計画

同社はMVPのリリースと共に、プレICOのローンチを9月14日に予定している。スナパラッチはプライベートセールなどにより500万ドルの調達を行っている。同社は、ソーシャルネットワーク内の強固なコミュニティーがイニシャルセールの成功に影響を及ぼしたと考えている。スナパラッチのフォロワー数はテレグラムで8万5000人、ツイッターで2万3000人、インスタグラムで1万6000人にのぼり、レディットの「カルマポイント」は2260を誇る。

スナパラッチチームは、18年11月に向けて複数の大きなステップを計画しているとする。アプリのベータテストが開始され、取引所でスナップコインがリリースされる予定だ。年末の12月には、スナパラッチアプリがアップストアとグーグルプレイでリリースされる。同社は来年に北米、アジア、ヨーロッパの3大陸で支社を開設したいと考えており、また、ライブ放送機能のベータ版を発表する予定である。

 

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