デジタル資産ウォレットを提供するファントムは、セコイア・キャピタルとパラダイムが主導するシリーズCの資金調達ラウンドで1億5000万ドルを調達したと発表した。ファントムの企業評価額は30億ドルに達した。アンドリーセン・ホロウィッツやバリアントもこの資金調達ラウンドに参加した。
ファントムのブランドン・ミルマンCEOは1月16日の発表で、「当社の使命は、仮想通貨を誰にとってもよりアクセスしやすく、直感的で安全なものにすることである。この最新の資金調達により、さらなるイノベーションに投資し、金融を現代化することが可能になる」と述べた。
ファントムは、調達した1億5000万ドルを活用して、まもなくリリース予定のソーシャルディスカバリー機能を展開し、ユーザー向けのピアツーピア支払いを簡素化する予定としている。
今回の資金調達でファントムの評価額は30億ドルとなったが、これは2022年1月のシリーズBラウンド時の評価額12億ドルから150%の増加となる。
ファントムは現在、月間アクティブユーザーが1500万人を超え、年間スワップ取引量が200億ドル以上に達している。
ファントムは、2024年最後の2か月間、つまり共和党のドナルド・トランプ氏が米大統領選挙で勝利した後、収益および取引量がコインベースウォレットとメタマスクを合わせたものよりも「数倍高かった」と主張している。
またファントムは、2024年11月20日に仮想通貨市場の時価総額が4兆ドルに向かって上昇する中、AppleのApp Storeのユーティリティ部門で一時的に第2位の人気アプリとなった。
ファントムは2024年12月6日に、レイヤー1ブロックチェーン「Sui」の統合を発表し、ビットコイン、イーサリアム、ソラナネットワークに続く4番目のサポート対象ブロックチェーンとした。
ファントムは2021年、カリフォルニア州サンフランシスコで、ミルマン氏、プロダクト最高責任者のクリス・カラニ氏、技術最高責任者のフランチェスコ・アゴスト氏によって設立された。
2025年初頭に予定されているソーシャルディスカバリー機能を補完するためのトークン発行の可能性についての噂が広まる中、同社は1月3日の発表でこれを否定している。「この機能に関連してエアドロップが行われるという憶測が一部で見られるため、明確にしておくと、当社にはトークンを発行する計画はない」と発表野中で述べている。