製薬大手ファイザー幹部、「ブロックチェーンを成長させるには十分な力ある」

製薬大手ファイザーの幹部は、ブロックチェーン技術に関して、「現状の取り組んでいるブロックチェーン以上に、生産に関わるブロックチェーンを開発する力を持っている」とアピールした一方で、インフラやガバナンスを共有するという困難な仕事に着手しなければならないのが普及の足かせになっている、との見方を示した。同幹部が5月14日、ニューヨークで開催されているコンセンサス主催のイベントで述べた。

ブロックチェーンの普及には技術的な面ではなく、人的な問題など周辺領域でも課題が山積していると強調した。

ファイザーでシニアディレクターを務めるケン・ネッスル氏は、今月13日から同カンファレンスの2日目に、英製薬会社アストラゼネカのケイト・ゴフマン氏と、「橋渡し研究:ブロックチェーンと治験の未来(From Bench to Bedside: Blockchains and the Future of Clinical Researc)」に参加。ブロックチェーン技術の普及が遅いとの見方があるなか、その足かせとなっているものについての質問で、ネッスル氏は以下のように述べた。

「ブロックチェーンの採用速度を制限している要素は、技術そのものに関連するというのが広く行き渡っている見方だと思う。スケーラブルでないとか、速度が十分でないとか、適切な開発者ツールがないだとか...(中略)。しかし、私の経験から言うと、現時点では、そういったことは速度制限の理由ではない。私のリスト上位にはまったくない」

ネッスル氏は、競合社らがインフラやガバナンスを共有するという困難な仕事に着手しなければならないのが足かせになっているとし、こういった交渉は「Brexit(ブレクジット)」や「NAFTA(北米自由貿易協定)」の交渉くらいに難しいことだとも述べた。

「ネットワークのメンバーは誰か、商業モデルは何か、該当する法律、そしてそのネットワークやソフトウエアをどのように管理するのか、といった極めて重要なことに合意を得なければならない」

ネッスル氏はまた、ブロックチェーンの活用事例の見方も変化したと述べ、「大成功」といった大きな衝撃を期待するのではなく、活用事例に紐づいたものに目を向けているとし、以下のように説明している。

「活用事例が別の事例と隣接しているとして、そしてそれがまた別の事例と隣接していて、それが伝わっていく。そういった成長によって長期的に衝撃となる。これがおそらく我々がたどるべき方法だろう」


今月初め、ファイザーと米国の製薬会社3社は、ヘルス業界向けのブロックチェーンネットワークを構築するプロジェクトで提携を発表している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版