9月12日、Change.org上で連邦機関によるチェイナリシスのフォレンジックサービスの利用に反対するオンライン署名活動が立ち上げられた。この署名活動では、チェイナリシスの精度に疑問を投げかけ、同社の活動に関連する法的問題を提起した。

この署名活動は「ストップ・チェイナリシス」によって開始され、「チェイナリシスのソフトウェアは、現実世界と仮想通貨決済を結びつけることで、法執行機関の犯罪防止努力を支援している」と指摘しつつ、「科学的に証明されていないソフトウェアや疑わしい方法論の使用により、個人が犯罪の発生に関与しているとされることは、市民の金融プライバシー権を危険にさらす」と主張した。

彼らは、チェイナリシスの調査結果は、1933年に米最高裁判所によって確立された法廷における専門家証言のダウバート基準を満たしておらず、その誤差率は不明であること、ピアレビューを受けていないこと、そして潜在的に欠陥のある方法論を使用していると主張した。

このサービスの技術的な問題は、潜在的なプライバシー侵害につながると彼らは主張した。「犯罪活動に関与しているかどうかにかかわらず、誰もがそのようなソフトウェアによって関係者とされる可能性があるため、個人や団体は自分たちの金融情報がプライベートに保たれるとは期待できない」と言う。

信頼性の低い技術の使用は、検索および押収の令状発行における第四修正条項の「合理的な疑い」の要件と、疑わしい活動の存在に基づいて例外が認められている銀行秘密法に違反するとした。

この署名活動では、チェイナリシスのサービスを利用した7つの米国の連邦機関が挙げられていた。

このオンライン署名活動は「L0la L33tz」という匿名でX上で活動していたローラ・リーズ氏によって公開された。彼女はチェイナリシスに対して批判的な声を上げてきた1人だ。

チェイナリシスを巡る問題を指摘するのは彼女だけではない。8月には、サイファートレースの調査・情報部門のディレクターであるジョネル・スティル氏が、チェイナリシスの技術が不適切に使用されているとの意見書を裁判所に提出している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン