Eコマース大手のオーバーストックの仮想通貨子会社tZEROは、セキュリティトークンの取引プラットフォームをローンチし、tZEROトークンの取引を始めた。1月24日にプレスリリースで発表した。

リリースによれば、適格投資家として認められた個人や法人は、ダイナソー・フィナンシャル・グループのオンライン証券口座を通じて、セキュリティトークンを取引することができる。ダイナソーは、tZero子会社であるPROセキュリティーズ社と提携している。PROセキュリティーズはセキュリティトークンの取引のための代替取引システムを提供する。

tZEROのサウム・ノルサレヒCEOは、今回のセキュリティトークンの流通市場開始について次のように述べている。

「セキュリティトークンの世界には、流通市場のための場所がなかった。私たち自身のセキュリティトークンの取引は、デジタル資産の新しい世界へのルビコンの川を渡るものだ。これにより、流動性が生まれ、アクセスが民主化され、グローバル市場に透明性と効率性がもたらされ、セキュリティトークンの導入が加速されるだろう」

2018年4月、tZEROはセキュリティトークン取引プラットフォームのプロトタイプを発表。実際にプラットフォームがどのように動くのかを実証した。

その後、18年8月にセキュリティトークン・オファリング(STO)を完了し、1000人を超える投資家から1億3400万ドルを調達した。

tZEROは1月1日、デジタル資産を取引するための「統合プラットフォーム」の特許を米特許商標庁に申請。特許申請書の中では、有価証券やトークン、デジタル株式、現金同等物、デジタル資産といった「デジタル取引アイテム」を処理するためのシステムだ。

セキュリティトークンとは、トークンの一種。現実世界の価値に裏付けのあるトークン。セキュリティは証券を意味し、トークン保有者に収益を分配するなど、セキュリティ(証券)と類似した性質を持ち、金融商品関連法令に準拠して金融商品として発行される。資金調達目的でトークンを発行するICO(イニシャル・コイン・オファリング)では、トークンの信用に対する裏付けはなく、投資家にとってリスクの高い投資として認識される。そもそも、このような目的で使用されるトークンは証券の性質を持っているので、規制の対象になるべきとの意見が多かった。その結果、トークンを証券同等に扱うセキュリティトークンが誕生し、仮想通貨業界に健全な投資を促すことが期待されている。

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