マスターカードのアン・ケアンズ副会長が「全社のネットワークを動かせるブロックチェーンを構築した」と、現在開催中のマネー20/20カンファレンスで4日に述べた。

 ケアンズ氏はアムステルダムで行われているマネー20/20で、同社はブロックチェーンを「大規模に」統合することを故意に選択したと語る一方で、「真のユースケース」を特定する必要があると述べた。

「既存の技術をブロックチェーンで置き換えるのは、単により優れたユーザー体験を作れないかもしれないからではない」と同氏は説明した。
「この技術が何を解決してくれるかを見つけることだ。それは真正性の証明かもしれない…あるいは、国際貿易といったものかもしれない…この技術にすでに手を出しているが、どのような道具になるかはまだ決まっていない」

 レガシー金融全体への普及としては初期段階にもかかわらず、マスターカードはブロックチェーン・ソリューションをますます貪欲に、積極的に追求している。マスターカードは4月、ノードがデータを検証する速度を上げることによってブロックチェーンの成長を「高速化」するシステムの特許を申請した。

 マスターカードの18年第1四半期の業績の伸び悩みは、おもな仮想通貨の価格下落と、それによる取引の減少と直接結びつけられた。最高財務責任者(CFO)のマルティナ・フンメイン氏は、6月2日の収支報告で「これは最近の仮想通貨ウォレット資金の落ち込みによるもの」と述べた。「国際間取引の成長によっていくらか緩和されると見ている」。