テザー/ビットフィネックスの最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏によると、メキシコペソにペッグされた新しいデジタル資産を立ち上げるというテザーの決定は、ステーブルコインへのオンランプを増やすことで、ラテンアメリカの国での仮想通貨導入に恩恵をもたらすとう。

世界経済フォーラム(ダボス会議)の会場でコインテレグラフとのインタビューに応じたアルドイノ氏は、ダボス会議に来た理由は仮想通貨の有用性を紹介するためだと語っている。

「私は大手銀行のCEOに会うためにダボス会議に参加したのではない」"と彼は言い、「私たちは、安全な方法で仮想通貨を必要とする大きな世界がそこにあるという私たちのメッセージを送るためにここにいる」と語った。

テザーは、メキシコで、特に企業の間で仮想通貨およびステーブルコインへの需要が高まっていることを受け、その需要に応えるため、イーサリアム(ETH)、トロン(TRX)、ポリゴン(MATIC)のネットワーク上で新たなペソを裏付けとするステーブルコインを立ち上げると発表した。アルドイノ氏はこのステーブルコイン「MXNT」が来週からビットフィネックスで取引を開始するとコインテレグラフに語った。

アルドイノ氏は、USDTをビットコイン(BTC)への橋渡しだと説明し、ドルペッグされたステーブルコインが次の20億人の仮想通貨ユーザーを取り込むのに成功すると信じていると語った。しかし、より多くの人々をUSDTに橋渡しするために、テザーは 「他の種類のテザー」を提供することで地元の銀行と協力する必要がある。

メキシコの上院議員がエルサルバドルのビットコイン法をベースに仮想通貨規制を作るという考えを打ち出している。メキシコがビットコインを法定通貨として採用する見通しについて尋ねられた際、アルドイノ氏は「遅かれ早かれ、多くの国がビットコインを受け入れるという可能性には強気だ」と答えている。

ただし、メキシコではすでに公式通貨が存在するため、ビットコインが法定通貨になるまでの道のりはエルサルバドルよりも複雑だろう。そのため、ビットコインは短期的には法定通貨としての地位を獲得できないかもしれないが、ペソと並んで使用される「事実上の法定通貨」となる可能性があると、アルドイノ氏はコメントしている。