NFT取引所の最大手として君臨してきたオープンシーが18日、手数料の引き下げとNFTの二次流通にかかるロイヤルティ費に関する新たな方針を発表した。競合の新興NFT取引所であるBlurからユーザーを奪い返すのが狙いだ。

昨年10月にローンチされたばかりのBlurは、NFTが二次流通際にクリエイターに支払われるロイヤルティ費をゼロにできるNFTプラットフォームだ。最近実施された大規模なエアドロップも追い風となり、一日の取引高がオープンシーを超えるようになっている(ブロックチェーンデータ解析プラットフォームである「ナンセン」のデータによる)。(一方でユーザー数等においてはオープンシーが以前トップを走っている)

主要なNFTマーケットプレイスの日次取引量

オープンシーはユーザーを呼び戻すための対策として、①期間限定で手数料をゼロにすること、②オンチェーンツールを使わないNFTコレクションに対しクリエイター収益オプション(ロイヤルティ)の最低値を0.5%にすること、③(Blur等の)同じポリシーのマーケットプレイスが運営者フィルターでブロックされなくなること等をあげている。

要するにユーザーにオープンシーかBlurの二者択一を迫ることをやめるわけだ。これによりオープンシー上でNFTを公開しているクリエイターは他の取引所でもロイヤルティを稼ぐことが可能になる流れができた。

独占的なNFTプラットフォームとして君臨していたオープンシーと新興Blurの間で繰り広げられる「ロイヤリティ戦争」。ロイヤリティゼロのマーケットプレイスがなければ、オープンシーのような有力プレイヤーは最終的に料金体系を引き上げ、クリエイターやコレクターを苦しめることになるのでは、とする見方もある。NFTプラットフォームの健全な競争を促すか、引き続き注目に値する。