オンチェ―ン分析プロバイダーのコインメトリックス(CoinMetrics)による新しいレポートは、ビットコインネットワークに対するマイナーの影響力が徐々に減少していると指摘している。

この調査では、ネットワーク全体に対する影響が時間の経過とともに変化したかどうかを判断するため、マイナーとマイニングプールのアドレスと支出を分析している。

ブロック報酬に関連する2種類のアドレスからのネットフローを測定すると、流動性に対するマイナーの影響が徐々に減少していることが明らかになった。

「マイナーの保有量や純移転量などのオンチェーンの指標は、ネットワークに対するマイナーの影響力が徐々に弱まっていることを示している」

マイニングをするための電力や家賃といった運用コストは法定通貨建てであるため、ビットコインを法定通貨に交換する必要がある。レポートによれば、マイナーによって保持されるビットコインの割合は、継続的に減少していると指摘している。

ブロック報酬を受け取るアドレスと、そこから即時トランザクションでBTCを受け取るアドレスの両方で、保持されているコインの数も減少している。

総供給量との関連でみると、マイナーとマイニングプールが保有する量が段階的に減少していることは明らかだ。だが、レポートでは、マイナーとマイニングプールが依然として総供給量の「かなりの部分」を管理しているとも述べている。

コインメトリックスによると、マイナーとマイニングプール関連のアドレスが保有するBTCの総供給量に占める割合は、2015年の約25%から現在では約18%に減少している。この保有量が減少しているということは、マイナーが市場に売却するBTCが少なくなり、価格への影響力が減少していることを意味している。

ネットフローは、売却量が価格とともに大きく変動したため、ネットワークの初期には大きく変動していた、ただし、ボラティリティは時間の経過とともに徐々に減少している。これは、半減期イベントにより、ブロック報酬が減少したためとみられる。

「これはまたボラティリティが徐々に弱まり、マイナーの流動性への影響が徐々に減少していることを示している」と、レポートは指摘している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン