仮想通貨ウォレットのMyEtherWallet(MEW)は、仮想通貨金融サービス企業のBityと共同で、本人確認(KYC)の手続きなしで仮想通貨を法定通貨に交換するプラットフォームをリリースした。MEWが2月20日に公開したブログ記事の中で発表した。

発表によれば、MEW V5ウォレットのユーザーは、ウォレット内でKYCの手続きを経ずに、5000スイスフラン(約55万円)分のビットコイン(BTC)もしくはイーサリアム(ETH)を、ユーロかスイスフランに交換することができる。ユーザーは世界中どこからでも交換を行うことができるという。

KYC手続きを行わないとあるが、MEWやBityは法定通貨への交換を行う手続きの中で、顧客の身元を確認できる形となっており、顧客がマネーロンダリングや汚職といった違法行為に関与しているか否かを評価できるという

法定通貨に交換する「Exit-to-Fiat」オプションを利用するには、ウォレットのダッシュボードで対象となる仮想通貨と交換したい法定通貨を選択する必要がある。ユーザーはさらに電話番号や振込先の銀行、銀行口座、コンプライアンス目的で必要な請求先住所などの個人データを提供するよう求められる。

仮想通貨を巡るプライバシーや匿名性の問題は、マネーロンダリグといった違法行為とそれを取り締まり政府の規制と常に隣り合わせの問題となっている。

最近では、仮想通貨を禁止している中国が今年1月、ブロックチェーン企業に対する新しい規制を導入。政府が、ブロックチェーン企業が持つユーザーIDや電話番号といった個人データにアクセスすることを要求している。