2021年の初めに安値でビットコインを買った投資家は4万ドル台でも売らずに保有を続けているようだ。
14日に発行されたニュースレター「The Week On-Chain」の中で、仮想通貨データ分析を手がけるグラスノードは、今年の強気市場の最初の数ヶ月にビットコインを購入した投資家が現金化していないことを明らかにした。
「非常に若い」供給が減少
ビットコインはここ数週間、出来高が少なく、価格は3万ドルから4万1000ドルの間のレンジで推移している。
ここ数日は適度なボラティリティーが戻ってきているが、ほとんどのホドラー(保有者)にとっては、現在の状況では利益を得る機会とは捉えられていないようだ。
グラスノードは、供給されているビットコインのうち、どの程度のビットコインが最後に動いた(売られたり、買われたりしてアドレスを移動すること)かを示す指標である、「ホドル・ウェーブ」から、この傾向が分かるとしている。
ボラティリティの低さから、ビットコインの供給が停滞しており、売っている投資家はほとんどいないことがホドル・ウェーブから確認できる。
レポートでは「最近のオンチェーンボリュームの減少によって、非常に若いコイン(1ヶ月未満に移動したコイン)が減少しているだけでなく、3ヶ月から12ヶ月の間保有されているコインの割合が拡大している。これらは、2020年から2021年1月までの強気の相場で蓄積され、保有されているコインだ」という。

現在は買い付け価格の2倍とまではいかないまでも、かなりの割合で利益を得ているコインでも、売らずに保有状態が続いている。
「一部のLTH(長期保有者)は利益を得ており、今後も利益を増やし続けるだろう」とグラスノードはまとめている。
少額保有者は増加傾向継続
長期的にも短期的にも、保有量が少ない投資家が増えている。
グラスノードがこれまでに指摘しているように、1BTC未満のウォレットが全体のビットコイン供給の多くを占め続けている。
同社は16日、ツイッターで「資産としてのビットコインの進化に反応する『リトルガイ』の増加は、供給量の分布に見ることができる」と投稿した。
ビットコインの影響力の拡大に関しては、機関投資家や国家による採用に関する報道が目立つ。しかし今年に入り、市場への進出が目立っているのは個人の小規模投資家だ。
