ブロックチェーンセキュリティ企業ペックシールドがまとめたデータによると、3月に発生したハッキングで盗まれた仮想通貨約1億ドルが回収された。

ペックシールドによれば、3月には30件以上のハッキングが発生し、約1億8700万ドルの資金が失われた。だがハッキングで盗まれた資金の52.8%が返還され、3月には9880万ドルの仮想通貨が回収されたという。

2024年の月別のハッキング被害総額 Source: PeckShield

ペックシールドは、3月に発生した主要な5件のインシデントを強調した。最も損失が大きかったのは「Munchables」の事件で、次いで「Curio」のハッキング、「プリズマ・ファイナンス(Prisma Finance)」のインシデント、「NFPrompt」のハッキング、そして「WOOFi」の不正流出が続いた。

回収された資金の大部分は、ブラストネットワークに基づくNFTゲーム「Munchables」に関するインシデントからのものだった。3月26日、プロジェクトは6200万ドルの不正流出が発生したと発表したが、ハッカーは身代金を要求せずに資金を返還した。3月27日、Munchablesはハッカーが自社の開発者の1人であることを突き止めた。最終的に、ブラストのクリエーターであるパックマン氏は、インシデントから盗まれた9700万ドルの仮想通貨がブラストのコアコントリビューターによって確保されたと発表した。

一方、プリズマ・ファイナンスのインシデントでは、約1100万ドルのデジタル資産が盗まれたが、失われた資金の回収も可能かもしれない。3月28日、プリズマ・ファイナンスはハッキングを調査するためプラットフォームを凍結した。しかし、攻撃から約6時間後、ハッカーはオンチェーンメッセージで、このインシデントは「ホワイトハットレスキュー」だったと述べた。現在、プリズマ・ファイナンスはハッカーと交渉中で、資金回収につながる可能性がある。

3月24日には、イーサリアム上のCurioのメーカーDAOベースのスマートコントラクトが侵害された。初期の損失見積もりは1600万ドルだったが、ペックシールドは4000万ドルに近いと主張している。同社は、先月失われた金額で2番目に大きいと指摘している。

バイナンスが育成したプラットフォームNFPromptは、約1000万ドルの不正アクセスを受け、WooFiの分散型取引所(DEX)は約850万ドルの損失を被った。