米国の証券取引所ナスダックが、暗号資産AVAXへの間接的なエクスポージャーを提供することを目的とした上場投資信託(ETF)「ヴァンエック・アバランチ・トラスト」の上場申請を米証券取引委員会(SEC)に提出した。
ナスダックの副社長兼チーフ・リーガル・オフィサーであるジョン・ゼッカ氏の署名が記された申請書では、同社の規則「ルール5711(d)」に基づき、このヴァンエック・アバランチETFの上場および取引開始の承認を求めている。同規則は商品ベースの信託株式の取引を規定している。
承認された場合、ヴァンエック・アバランチETFは、投資家がAVAXトークンを直接保有することなく、アバランチの価格に連動した投資が可能になる。このETFはトークンを信託内で保有し、その価格に連動するため、投資家は仮想通貨ウォレットや暗号資産取引所を利用せずに、価格変動による利益を得ることができる。
提出書類によれば、この信託は資産運用会社ヴァンエック・デジタル・アセットがスポンサーを務め、アバランチ・トークンはすべて第三者のカストディアンが信託のために保管する。
Excerpt of Nasdaq’s Avalanche ETF listing application. Source: Nasdaq
ヴァンエック、アバランチETF競争に参入
この申請は、ヴァンエックが米国で現物型アバランチETFの登録を目指す取り組みに続くものである。同社は3月10日、暗号資産投資商品として本ETFをデラウェア州に信託会社として登録した。
今回の申請は、ヴァンエックが提出した4件目の単独の暗号資産ETFであり、ビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、ソラナ(SOL)に続くものとなる。ヴァンエックは2024年に現物型ソラナETFを申請しており、SOLベースのETFを申請した最初の発行体のひとつである。
3月14日には、ヴァンエックによる正式なアバランチETF申請がSNS上で公に共有され、同社がこの商品に注力している姿勢が示された。
グレースケール・インベストメンツもAVAXを裏付けとするETFの申請を進めており、3月28日にはナスダックがグレースケールのアバランチETFを上場するための申請を行った。このETFは、グレースケールが2024年8月に立ち上げたクローズドエンド型AVAXファンドをETFへ転換する形となる。
AVAXを基盤としたETFへの関心が高まる一方で、トークン価格は2025年に入り大きく下落している。暗号資産市場全体の下落を受け、4月10日時点のAVAX価格は18ドルで、1月の高値41ドルから56%下落している。