ビットコインは強気相場なのか?複数の指標は、イエス説を支持しているようだ。

トレンド転換?

過去1週間、ビットコインの今後に対する短期的な投資家の心理は改善したようだ。

ビットコインが4000ドルから1万3000ドルに上昇する中、以前のレジスタンスが弱々しいサポートだということが明らかになり、多くの投資家は7500ドル〜8500ドルまで下がって反発すると予測した。

しかし、その後、ビットコインが9100ドル付近でダブルボトムを形成し、7500〜8500ドルまで下がらなくとも9000ドルからトレンドが転換するという見方も一部で出た。

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7月28日以降、ビットコインは低い取引量をものともせずに19.6%上昇。1万800ドル付近まで回復した。1万800ドルは、重要なレベルだ。最近の上昇に対する38.3%のフィボナッチリトレースメントの水準であり、1万1200ドルのレジスタンスから数百ドル離れている。

執筆時点(8月5日10時45分)では、1万1300ドルを突破。レジスタンスを突破した。

(出典:Coin360「ビットコイン/米ドル(1日)」)

心理・テクニカルの面から大事なのは、1万1200ドルを突破した水準で価格が維持されることだ。そうなれば、ビットコインは4000ドルから2019年の最高値をつけた上昇ウェッジに戻ることになる。

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週ベースのチャートを見てみると、ビットコインはハイヤーロウ(手前の下値より高い場所にある戻りの下値)をつけている。もし今週、1万1150ドルより上で取引を終えれば、トレンド転換説が説得力を持つようになるだろう。強気派による取引量の上昇もトレンド転換の確認になる。

ビットコイン上昇を示す複数の指標

9100ドルのダブルボトムから反発したビットコイン。1日のRSI(相対力指数)が下降ウェッジから脱出し、50を超えた。4000ドルからの急騰以降、この水準は確かな売られ過ぎの反発ポイントとして機能している。

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またMACDもシングル線がクロスし、ポジティブな傾向が出ている。強気サインだ。

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さらに過去2、3週間、トレーダーは驚くべき量のUSDTが発行されており、ビットコイン価格にも影響を与えていると指摘してきた。

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テザーは、6月以降で7億5000万USDT以上を発行。チャートを見てみると、確かにテザー発行につれてビットコインの時価総額も増加している。まだ、テザーの増額分に追いついていないという声もある。

規制とビットコイン、アルトコイン

ビットコインの時価総額全体における占有率(ドミナンス)も上昇している。フェイスブックのリブラが米国の政治家などから批判を浴びる中、ムニューシン財務長官はビットコインに対する厳しい規制を示唆した。

これらの声明は投資家の自信を損なったかもしれないが、アルトコインも伸び悩んだため、ビットコインのドミナンスは66を超えた時点で維持された。これは、2017年11月の水準よりも高い。仮想通貨投資ファンド「イキガイ」のトラヴィス・クリン氏は、ビットコインの優位性を次のように語った。

「BTCは、他の仮想通貨と差別化を進めている。機関投資家にとっての投資のしやすさという観点でね」

また、コインメトリックスの最近のレポートによると、規制、マクロ経済、地政学的リスクに関する不透明感は、アルトコインにとって打撃となっている。

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コインメトリックスは、バイナンスポロニエックスビットトレックスの最近の行動を指摘。それぞれ、米国のトレーダーにデリバティブ(金融派生商品)や複数の仮想通貨の取引をさせないようにポリシーを変更した。また、米国人にプラットフォームで取引をさせていたとして、米商品先物取引委員会(CFTC)がビットメックスに対して調査をしていると報じられている。

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月ベースのチャートを見てみると、ビットコインの今年の最高値は2017年の高値から遠くはない。

Picture 8さらにビットコインのマイニングにおける計算力を示すハッシュレートは、毎月過去最高を更新している。ビットコインのネットワークの成長を示す上で重要な指標だ。ハッシュレートが高くなればセキュリティーが上昇し、51%攻撃の可能性が小さくなる。

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ビットコインの取引数も増加している。5月には1日あたりの取引数は45万回を超えた。2017年のバブル相場の時は、49万回に到達していた。

取引数の増加こそ、「成功の証」とみる専門家もいる。

今後が楽しみ?

多くの指標がビットコイン強気説を裏付けていることが分かる。

他にも、1月あたりの取引量やビットコインのアドレス数、ビットコインのボラティリティ(変動幅)などみるべき指標はたくさんある。

ファンドストラット代表のトム・リー氏が、「歴史的に1年のビットコインの上昇分のほとんどがたった10日で作られる」とツイートしてから、まだそれほど時間は経っていない。

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。