破綻した仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt. Gox)は、10億ドル近いビットコイン(BTC)を移動させた。これは1週間で2度目の大規模送金となり、3月11日にはビットコイン価格が4カ月ぶりの安値を記録した。

ブロックチェーン分析企業ルック・オンチェーンがアーカムのデータをもとにした報告によると、今回の移動では合計1万1833BTCが送金された。このうち、1万1501BTC(9億510万ドル相当)は新しいウォレットに移動され、残りの332BTC(2610万ドル相当)はウォームウォレットに送られた

Mt.Goxによるビットコイン送金. Source: Arkham Intelligence

過去1週間で2度目の大規模送金

この送金は、3月6日に行われた1万2000BTC(約10億ドル相当)の移動に続くものだった。アーカムによると、当時の送金のうち1500万ドル分が、マウントゴックスの債権者への返済を支援するカストディアンの1つであるビットゴーに送られていた

また、ブロックチェーン分析企業スポット・オンチェーンは、今回ウォームウォレットに送られた332BTCも、返済支援のために移動された可能性があると指摘している

この大規模なビットコイン移動は、価格の急落と重なった。コインゲッコーのデータによると、ビットコインは30分間で2.4%下落し、7万6784ドルまで落ち込んだ。これは、2024年11月のトランプ大統領当選時に市場が急騰した直後の水準に戻る形となった。

その後、ビットコインは7万9275ドルまで回復したが、メイルストロムの最高投資責任者(CIO)であるアーサー・ヘイズ氏は、3月11日のX投稿で投資家に対し「冷静に待つべきだ」とし、ビットコイン価格が7万ドル付近で底を打つ可能性が高いと予測している。

スポット・オンチェーンのデータによると、マウントゴックスのメインウォレットには現在2万4411BTC(約19.4億ドル相当)が残っている。

Mt. Gox’s change in Bitcoin holdings since 2015. Source: Spot On Chain

マウントゴックスは2024年10月、債権者への完全な返済期限を2025年10月31日まで延長すると発表した

同取引所は、2010年から2014年にかけて世界最大のビットコイン取引所であり、一時はビットコイン取引の70〜80%を処理していた。しかし、東京に拠点を置いていた同取引所は、最大85万BTCが盗まれるハッキングによって崩壊した。