ビットコインは現在、最高値から70%のディスカウントで取引されていることで、エルサルバドルのビットコイン(BTC)への賭けは現在のところやや裏目に出ている。エルサルバドルが負債に苦しんでいる時に、モルガン・スタンレーは、ボロボロのユーロ債に買いコールを奨励した。

モルガン・スタンレーの新興市場ソブリン・クレジット戦略のグローバルヘッドであるサイモン・ウェーバー氏は19日、エルサルバドル政府の77億ドルのユーロ債は、他の破綻した国々と比べても良い指標を持っているにもかかわらず、市場によって「過度に罰せられた」と投資家に伝えたとブルームバーグは報じている。

"市場は明らかに、エルサルバドルが債務不履行に陥るが、再建はされないという自力救済シナリオの可能性が高いと見なしている"

ウェーバー氏は、デフォルトの場合でも一国の債務が1ドル=0.437ドルより低く取引されるべきではないと指摘する一方、世界的な流動性の逼迫により、現在の市場環境ではこのレベルを達成するのは不可能であることも認めた。

19日のノートでは、エルサルバドルはプライマリーバランスが黒字のため、今後12ヶ月間の債務返済に問題はないはずで、さらにアルゼンチン、エジプト、ウクライナなどの他の窮状国よりも償還までの残存年数が短いためにリスクが低いと評価している。

エルサルバドルは2021年9月にBTCを法定通貨とし、強気相場がピークに達している間、この小国にとっては完璧にうまくいっているように見えた。同国は9月以降、約5600万ドル相当のBTCを購入し、その利益で学校や病院を建設したほどだ。しかし、弱気相場が始まると、同国は投資額のかなりの部分を失った。

エルサルバドルでは、国際通貨基金への10億ドルの支援要請が決裂した後、ビットコイン火山債の発行をめぐる議論があった。しかし、ビットコインシティとともに騒がれたこの債券は、発売の具体的な日程が決まらないまま、何度も延期されている。