米ラスベガスで22日開催されたマネー20/20カンファレンスで、仮想通貨リップル(XRP)のデビット・シュワルツCTOとFISペイメントのプロダクト戦略部上級副社長のエッシャー・ピッグ氏が、決済におけるブロックチェーンの利益について議論した。

シュワルツCTOによると、ブロックチェーン技術は現在の世界の決済システムに取って代わり、デベロッパーは「ダイヤルアップ時代にまでさかのぼるシステムに包帯をかける」と話した。ブロックチェーンは、Eメールが伝統的な郵便にもたらした効果と同じような効果を決済システムに与えるもので、より少額で頻繁な決済が可能になると強調した。

「現在のEメールで可能なことの99%は、郵便では実現しなかったことだ。...企業に起こるだろうことは、高速で低コストの決済を実現できるものは軌道に乗り、そうでなければ受け入れるか、死ぬかということだ。これまでのテクノロジー革命と同様だ」

また、同氏はブロックチェーンは、安全で参加者が全てのシステムルールを承認するかを選べる点で決済に向いている技術で、基本的に信頼できると述べた。

一方でピッグ氏はシュワルツ氏に対し、ブロックチェーンが現在の決済システムのどの問題を解決するのか疑問を投げた。決済サービス老舗のウエスタンユニオンのCEOがリップルとブロックチェーンを使ったパイロット事業をしたところ、財務的な利益が得られなかったと述べたことを引用しつつ、ブロックチェーンのコスト削減能力は過剰評価されていると指摘した。インフラと管理費用が高いという。

また、同氏によると、ブロックチェーンはある程度の安全性はあるが、犯罪者の動きを予測できない。現在の決済システムは改善の余地はあるものの、ブロックチェーンのものより安全で信頼できると強調した。そして、ブロックチェーンの可能性を認めつつ、現在のシステムに取って代わることはないと述べた。