仮想通貨モネロ(XMR)は、ASIC(特定用途向け集積回路)耐性を高めることを目指すPoW(プルーフ・オブ・ワーク)ベースの新コンセンサスアルゴリズム「RandomX(ランダムX)」の導入を含む定期アップグレードを終えた。

XMRコミュニティワークグループは11月30日、約58分ほどかかったアップグレードの合間にYouTube上でライブストリーミングを行った。XMRは約6ヵ月間隔で定期アップグレードとしてハードフォークを実施しており、今回は汎用CPUおよび汎用GPUへの最適化を施したRandomXが導入された。名称の由来となったランダムコード実行、またメモリー関連技術を採用することで、ASIC耐性を高めている。

RandomXは、特別な命令群によりソフトウェアを実行する仮想マシンを採用しており、リアルタイムで汎用CPUおよび汎用GPU向けコードへの変換を行うという。インテルおよびAMD製CPU、またNVIDAおよびAMD製GPUによる効率が向上したそうだ。ASICでも動作は可能なものの、汎用CPUの動作をシミュレートする必要があり、CPUに比べ効率がはるかに効率が落ちるという。

XMRチームによると、ASIC搭載機器を製造できる企業は世界に数社しか存在しないため、ASIC搭載機器は中央集権化をもたらす可能性があると考えているそうだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン