世界的に猛威を振るう新型コロナウィルス(COVID-19)。仮想通貨ビットコイン(BTC)のマイニング事業者にも影響を与えているようだ。仮想通貨マイニングの分析を手掛けるBlocckware Solutionsのマット・デスーザCEOがコインテレグラフに語った。

デスーザCEOは、新型コロナウィルスが間接的にではあるが、マイニング事業者に影響を与えていると指摘している。コロナウィルスの影響が、マイナーのハッシュレートが低下する「マイナー降参」につながっているという。

「COVIDはグローバルサプライチェーンを混乱させることになり、ハッシュレートの低下に影響を与えたと思われる。したがって、マイナーはリグを取得することができないでいる。COVID-19が原因で次世代リグへの更新が遅れたため、難易度調整ははるかに大きくなっている」

ビットコイン価格の下落により、既にいくつかの旧世代のマイニング機器(リグ)では採算が取れない状況になっている。中国メディアの証券日報が3月に報じたように、中国ではビットメイン製のAntminer S9では採算が取れなくなり、40以上の事業者が事業停止を余儀なくされた。

デスーザ氏の証言に加えて、中国商務部のブロックチェーン委員会副主任は、証券日報に次のように語っている。

「(コロナウィルス)流行の影響で、マイニング機器の維持・更新・生産継続がさらに困難になっている。3月12日の急落により、多くのマイニング機器が売却された。この流れは既に発生しており、マイニング機器の平均販売価格は、春節前よりも30~50%下落している」

デスーザ氏は、コインテレグラフに米国ではなくアジアのマイニングプールの影響が大きいと、コインテレグラフに証言している。

「(ハッシュレート)低下はいくつかの古い世代のリグが不採算になったためだった。(マイニング)プールを監視すると、米国のプールではなく、アジアのプールで多くのハッシュが失われた。これはアジアで機器がシャットダウンしたことを示している。アジアでは古い世代の機器が多く、その代償としてビットコイン下落に伴い、不採算に陥いり、事業を停止せざるを得なくなった」