『ビットコイン・スタンダード』の著者であるサイファディーン・アモウズ氏は、仮にマイケル・セイラー氏がビットコイン(BTC)の総供給量の約48%を保有したとしても、ビットコインのプロトコルや価格にリスクをもたらすことはないとの見解を示した。
4月25日に行われた仮想通貨起業家アンソニー・ポンプリアーノ氏とのインタビューの中で、アモウズ氏は「仮にセイラー氏が最終的に1000万BTCを手にしたとして、彼はそれをどうするというのか。おそらく、それを担保にしてさらにビットコインを買うだろう」と述べている。
BTC大量保有がプロトコルを脅かすことはない
アモウズ氏は「最終的に、ビットコインのプロトコルに深刻な意味での脅威となるとは考えにくい」と述べ、大量保有そのものが問題になるという見方を否定した。
「仮にセイラー氏が1000万BTCを持っていたとしても、ある日突然『あと500万BTCを供給するためにハードフォークしよう』などと言い出すとは思えない。そんなことをすれば、彼が既に保有している1000万BTCの価値が下がってしまう」
ビットコイン市場ではこれまでも、大口保有者(クジラ)による価格操作や中央集権化、流動性のリスクについて懸念が示されてきた。
現在、セイラー氏が率いるストラテジー(旧マイクロストラテジー)は53万8200BTCを保有しており、評価額は約501億8000万ドルにのぼる。一方、ブラックロックのビットコインETFである「iシェアーズ・スポット・ビットコインETF」は約544億8000万ドル相当、約58万5000BTCを保有している。
この2社を合わせると、ビットコインの総供給量の約5.3%を保有している計算になる。しかし、アモウズ氏はこれについても懸念する必要はないと述べた。
「マイケル・セイラー氏やラリー・フィンク氏がそのビットコインをすべて所有しているわけではない。彼らの会社の株主やETFの保有者がそれを所有しているのだ」
「ブラックロックやストラテジーがビットコインを保有しているのは、株主やETF保有者に対して受託者責任を果たすためであり、それが適切に行われている限り問題はない」とアモウズ氏は説明した。
仮にこれらの企業がビットコインの保有・運用において、株主やETF保有者にとって不利益となるような行動をとれば、その時こそ投資家は保有を売却し、他の投資手段を模索するだろうと指摘している。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。