仮想通貨(暗号資産)イーサ(ETH)のウォレットでブラウザ拡張機能であるメタマスク(MetaMask)が21日、使用ライセンスの更新を発表した。今回のアップデートにより、メタマスクを商用利用する場合には有料となることが盛り込まれた。

同社は公式ブログの中で、今回のアップデートではすべてのエンドユーザーやほとんどのアプリ開発者、非営利団体に影響はなく、こうした人々には無料で提供されると述べた。

ただ、商用利用でメタマスクのコードベースをコピー、修正、フォークする開発者は「一緒に進む道を探すことができるように我々と話し合おう」とし、例として次のように述べた。

「例えばメタマスクをコピーして1万の月間アクティブユーザー以上のユーザーに提供する場合、正式な商業契約を結びたい」

また、二次的著作物を作成する場合も同様のライセンス制限が適用される。

メタマスクはこれまですべて無料でサービスを提供してきたが、同社が安全なウォレット開発を今後も継続するために必要なアップデートだとしている。

ただし、今後も標準規格やセキュアな実行環境に貢献するため、内部モジュールの多くをオープンソースライセンスモジュールとして公開するという。これらには秘密鍵管理やプロバイダAPI、メタマスクのパーミッションシステムに関連するコードが含まれる。

プライバシー機能強化

メタマスクは2020年7月、メジャーアップデート「バージョン8」をリリースし、プライバシー機能を強化している。強化されたプライバシーコントロールや新しいアカウントログインシステムなどの多くの新しい機能を提供した。

メタマスクの新しいプライバシーコントロール機能は、アプリが特定のウェブサイトに接続する際にユーザーのプライべート情報を保護することに重点を置いている。そのため、メタマスクのバージョン8では、特定のウェブサイト用に1つ以上のアカウントを選択するか、そのウェブサイト専用の新しいアカウントを作成することもできる。

この新機能ではユーザーが簡単にアカウントを切り替えることが可能で、どのアカウントを分散型ウェブサイトで利用できるかをコントロールすることができる。

ユーザーが選択したアカウントと紐づいていないウェブサイトを開くと、メタマスクがアラートを出す仕組みになっている。

メタマスクは、ほかのオンライン仮想通貨ウォレットの大部分が単一アカウントを提供しているため、個人データのコントロールで脆弱であると指摘している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン