仮想通貨分析のメサーリは、「コインベース効果」の真偽について調べたレポートを公開した。これは、コインベースにトークンが新しく上場した方が他の取引所で上場するよりも大きなインパクトを持つというものだ。

しかし、この効果は一貫しているとは言えず、外れ値を考慮すると、多くの人が想定しているほどその効果は大きくはない。

メサーリは、コインベースに上場した28のコインの最初5日間のパフォーマンスを、バイナンスやFTX、ジェミナイ、OKEx、クラーケンと比較して分析している。

調査によると、コインベースに上場した場合の平均収益率は91%と最も高かったが、その効果は一貫していなかった。28のトークンは、5日後に32%の損失から645%のプラスまで、パフォーマンスに大きな差があった。対照的に、他の取引所での新規上場トークンは、約25%の損失から60%のプラスのレンジであり、取引所全体での平均収益率は約20%だった。

ただし、コインベースに上場した直後の外部要因がいくつかのトークンに極端なリターンをもたらしたとメサーリは指摘している(District0xは645%増加し、Civicが493%増加している)。

外れ値を除去すると、コインベースへの新規上場した場合のリターンは0~66%の間で変動し、全体の平均は29%になるとと、メサーリは指摘している。

調整後のデータでは、OKExが2位にランクインし、新規上場のトークンは約20%のリターンとなり、続いて、クラーケンが15%、FTXが12%、バイナンスが0%、ジェミナイはわずかにマイナスとなっている。

コインベース効果は、取引所の人気とその強力なブランドが寄与しているようだ。また米国の仮想通貨規制のため、多くの取引所やアルトコイン発行者が米国の居住者にサービスを提供することを思いとどまっており、これがコインベース効果に影響を与えている可能性がある。

メサーリは、コインベースを「仮想通貨への最大の個人向けオンランプ」と説明し、取引所に新規上場したトークンの強力な平均パフォーマンスは、以前はアクセスできなかった市場へのエクスポージャーを獲得しようとする米国の個人投資家によるものだと指摘している。