英国の国際送金サービス会社MercuryFXは18日、リップル社の決済システムxRapidを使って数秒で8万6633ペソ(約50万円)を英国からメキシコへ送金することに成功したと発表した。高くて遅いSWIFT(国際銀行間金融通信協会)の国際送金システムからの対抗馬として、仮想通貨XRPの使用が義務となるxRapidの普及が進むきっかけになるか注目だ。

約1万2100円と31時間を節約

今回のMercuryFXの送金には、世界各地のサプライヤーから原材料を仕入れる英国Mustard Foods社が参加。SWIFTを使った英国ーメキシコ間の送金と比較して、手数料79.17ポンド約1万1200円)と31時間が節約できたという。今までより速くて安い国際送金が可能になることで、さっそくビジネスへの効果が表れた。

米SNSのレディットでは、xRapid採用で「ドミノ効果」を期待する声が出た。

リップル社の国際決済サービスxRapid。すでに大手金融機関の間で普及が進んでいるxCurrentとは異なり、xRapidは仮想通貨XRPの利用が義務となる。xRapidでは、クロスボーダー送金の際、銀行が円や米ドルでXRPを購入し、そのXRPを送金先の地元業者が地元の通貨に両替する仕組みを提供する。

今回のxRapidでの送金に成功したのは、いずれも一般的に知名度の高い企業ではない。ただ、17日にコインテレグラフ 日本版のインタビューに答えたリップル(XRP)のクジラ、セス・リム氏は、「小規模な銀行がxRapidを使えば使うほど」、手数料収入の減少に困った「大手銀行もXRPに目を向けるようになるだろう」という見方を示していた。

「考えるまでもなくXRP」

去年10月Yahoo!Financeのインタビューに答えたMercuryFXのコンスタンスCEOは、xRapidの利点として、スピードと信頼面で議論の余地がないこと、ユーザーフレンドリーになり適用範囲が広がったことを指摘。「他の多くの企業もXRPレジャーに飛び込む準備をしているのではないか感じている」と話した。

結論から言うと、2日と50ドルかかる送金と数秒と5セントかかる送金、どちらが良いかと言うことだ。考えるまでもないだろう。静かにSWIFTのネットワークに取って代わっていくだろう」

リップルとは、仮想通貨の一種。リップルは通貨の名称であり、その通貨を発行・管理するシステムであり、それらを運営する会社名でもある。通貨としてのリップルの大きな特徴は従来の送金システムを劇的に改良できる可能性を秘めていること。Xrapidはリップルを様々な通貨の橋渡しを行うブリッジ通貨として利用することで、安価で迅速な国際送金を実現でき、単一でグローバルな金融ネットワークの構築を可能にするシステムとして注目される。

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