現在世界第3位の日間取引量を誇る仮想通貨取引所フォビが、その独自ピアツーピア取引プラットフォーム上で、インドルピー(INR)の取引に対応する。クリプトニュース インドが26日、フォビからの電子メールを引用して伝えた。

 報道によると、フォビの店頭取引(OTC)サービスはインドのユーザーに対し、ルピーを使ったビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、テザー(USDT)の取引を手数料無料で提供するという。同社は電子メールの中で、次のように言及している。

「インドの全てのユーザーに対し、INRを使ってデジタル資産を売買するソリューションを提供する時期が来たと考えている...フォビに登録するインドの全ユーザーは、https://otc.huobi.com にログインして、INRでデジタル資産を取引することができる」

 この電子メールは続けて、もし「高い流動性」を持つ、より多くの仮想通貨を取引したければ、フォビ グローバルへ口座を移すこともできると助言しているという。

 このインドのトレーダー向けOTCオプションは、クリプトニュースの引用した電子メール以外に、公式な発表でも確認する必要がある。しかしクリプトニュースが接触したある広報担当者は、INRでの取引に対応することを認めたと伝えられる。

 コインテレグラフからも確認の要請をしているが、記事執筆時点でフォビからの返答は届いていない。

 インドでは7月5日から、銀行が仮想通貨関連企業・人物と取引することを、インド準備銀行(RBI)禁止して物議を醸しているが、それを考えればフオビがOTCでルピーの取引に対応するというニュースは、同国の仮想通貨業界にとって特に重大な意味を持つといえる。

 当該禁止令が実施される1日前の7月4日、現地の仮想通貨取引所ワジールXは、取引所内での仮想通貨と法定通貨の変換を避けるため、自らのプラットフォームをピアツーピアへと転換することを明らかにした

 18年4月に初めて発表された中央銀行による仮想通貨取引禁止令は、一般および業界両方からの嘆願を引き起こしてきた。中には、判決は憲法違反として裁判所に上訴する者もいた。

 最高裁判所で現在行なわれている禁止令に関する審理で裁判官は、影響を受けると主張する者たちに対し、暫定的救済措置を与えることを拒否した。裁判所は10日前、18年7月20日に予定されていた禁止令に関する最終審理を、9月まで延期している

 インドのユーザー層に向けられたこの最新の提案と同時に、シンガポールに本社を置くフォビは、18年を通して急速な海外展開を進めてきた。最近では米国の新たな「戦略パートナー」によるプラットフォームでの取引が始まっており、今春には韓国で事業を開始した。また、ロンドンでのサービス運営も公表している。OTC取引の英国市場向け試験運用は、今年第3四半期中に開始される予定だ。