ビットコイン利用者の一部が、「詐欺ボット」や「なりすまし」など多くの問題を抱えるツイッターに愛想をつかして、マストドン(Mastodon)と呼ばれる中央管理者のいないソーシャルメディアを使い始めていると先週末に複数のメディアが伝えた。ビットコイナーにとっての情報の仕入先としてマストドンが必須になる時代が来ているのかもしれない。

 マストドン利用者の増加に関してビットコイニストは、ツイッター上で詐欺ボットネットを使った「ETHの無料配布」や有名人になりすましたアカウントなど問題が発生していることに対して、ツイッター社の対応が遅れていると指摘。最近ではツイッターにある「洗練された仮想通貨関連の詐欺ボットネット」は少なくとも1万5000ボットあるという調査結果も出ていた

 また、ビットコインマガジンは、ビットコイン・ブロックチェーンのコミュニティー「BHBネットワーク」ギアコモ・ズッコ氏のツイッターアカウントが、説明もなく停止されたことなどがきっかけになったのではないかとみている。

 一方マストドンは、ツイッターと類似しているが、ツイッターやフェイスブックなどのように一社が集中管理していない点が特徴。「インスタンス」と呼ばれるサーバーが複数存在しており、インスタンス内でコンテンツに関して独自のルールが決められている。利用者はインスタンスごとに登録するが、他のインスタンスに所属する利用者とコミュニケーションを取る事も可能だ。

 執筆時点でビットコインのインスタンスには2000人以上の利用者がいて、紹介ページには「ビットコイン・マキシマリストのためのインスタンス。スキャムなし、なりすましなし、物乞いなし、違法コンテンツなし」などと書かれている。

 ブロックチェーンを基盤にした金融サービスを手がけるサトシ・ポータルのフランシス・ポウリオット氏は、次のように述べた。

 「たくさんのクールなビットコイナーたちがhttp://bitcoinhackers.org  に集まり、マストドンの良さに気づき始めている。かなり楽しいよ!」

 ビットコイニストによると、マストドンは、インスタンスの主催者に対するビットコイン支払いの受け入れを検討中。利用者からはライトニングネットワークを使ったチップ支払いボタンを追加してほしいという要望も出ているという。

参考記事
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