マスターカードの18年1~3月期決算は、同社のクレジットカードを使った仮想通貨購入が大幅に減少したことから、業績が伸び悩んだ。CNBCが3日に伝えた。
消費者はマスターカードを使って仮想通貨を購入することが出来る。しかし、現在ではいくつかの金融機関では購入できないようになっている。今年はじめ、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェース、シティグループは、潜在的な信用リスクと仮想通貨のボラタリティの高さを理由に、クレジットカードでの購入を禁止した。
マスターカードのクロスボーダー取引は19%増加したが、直近の17年第4四半期からは2ポイント下落している。クレジットカードの保有者による仮想通貨の購入減が一部影響したと報じられている。
マスターカードの最高財務責任者(CFO)のマルティナ・フンメイン氏は、1つの理由は「仮想通貨ウォレットの利用が減った」ためと述べる。フンメイン氏によれば、今後の国際的な成長は適切なものになると予想しているという。
マスターカードのアジャイ・バンガCEOは、韓国での仮想通貨取引所の撤退や日本でのコインチェックの流出事件などをあげ、アジアでの不確実性を強調した。
「日本最大の取引所でさえハッキングされ、多くの懸念がある。みなさんも承知のように、直近の第4四半期の後半や第1四半期にくらべて、現在は関心が薄くなっている」
バンガCEOはさらに、デジタル通貨はマスターカードの企業戦略にとって主要な部分ではないと表明した。仮想通貨セクターがどのように発展するのか見通すのが難しいためだとしている。
「(仮想通貨について)何も考慮していない。なぜなら我々はそれを予測する方法を知らないからだ。むしろ当てにしたくないくらいだ」
業績が伸び悩んだにもかかわらず、ウォール街での予想を上回ったとして、マスターカード株は3日に3%以上の上昇をみせた。
昨年10月、バンガCEOは政府の支援を受けていないデジタル通貨に声高に反対した。「もし政府がデジタル通貨を作るならば、我々はそれに参加する方法を見つけるだろう。消費者と企業のマネーの流れをつなぐレールを提供するだろう。政府が手を加えたデジタル通貨には興味があるが、非政府による通貨はゴミだ」と述べた。