米クレジットカード大手のマスターカードは、暗号学の教育に力を入れていて、とりわけ女性を対象にした教育プログラムGirls4Techに投資をしている。The Blockが報じた

マスターカードは、暗号学を習得した開発者が絶対的に足りないことに加えて、女性が少ない現状について、業界の持続性に関わる問題と深刻に受け止めているという。マスターカードの幹部であるダナ・ローバーグ氏は、「暗号学とサイバーセキュリティーの分野は重要だが、女性を見つけることは、ユニコーンを見つけることに等しい」と話したそうだ。

暗号学や暗号理論はビットコインなど仮想通貨やブロックチェーンの成り立ちを深く理解する上で重要な学問だ。マスターカードのローバーグ氏も「暗号学は、我々がやりたいことの重要な部分だ」とし、この分野でのエンジニア採用を強化していることを認めたそうだ。

投資先のGirls4Techは、2014年に設立され、年末までに30万人の少女の参加が目標。世界中の女子中学生に対してテクノロジーの勉強をするように促し、ゆくゆくはマスターカードの従業員になってもらうことを目指しているそうだ。マスターカードによる投資額は明かされていない。

マスターカードは仮想通貨に対しては否定的だが、ブロックチェーンに対しては肯定的なスタンスを取っている。

マスターカードのアジェイ・バンガCEOは昨年7月、仮想通貨について価格が「激しく」変動するため、交換手段と見なす「価値」がなく、「ジャンク」だと酷評した。一方で同社は、ブロックチェーン技術を決済に使用する特許を、多数申請している。